ローマ字入力

ローマ字入力に ついて

ローマ字入力の しくみ


日本語入力システム

ローマ字入力は 名前に「ローマ字」が はいって いますが,よく かんがえて みると,ローマ字を 入力 して それを 漢字かな表記に 変換 する しくみでは ありません。ふりがなを 入力 するのに ローマ字を つかう だけです。かな入力と おなじで,まず ふりがなを 入力 して その ふりがなを 漢字かな表記に 変換 する しくみです手がき入力や 音声入力の ように ふりがなを 入力 しない 方式も あります。

KUUKI →「くうき」 → 空気
KE-KI →「けーき」 → ケーキ
KOUKI →「こうき」 → 後期


これは 重大な 設計ミスです。ローマ字を 入力 して それを そのまま 漢字かな表記に 変換 する 自然な しくみに する べきでした。

[...]すでに述べたように、日本語の表記法としては、ふつうの漢字かな混じり文のほかに、ローマ字文の書きかたも国によって制定され、義務教育にも取りいれられている。したがって入力方式でも、ほかの方式とともに、正規のローマ字つずりによって入力されたものを、そのまま漢字かな混じり文に変換するものが実装されてしかるべきだ、と考えるのは自然であろう。

[...]日本語の国際的な流通性を高め、かつ日本語の文書処理の高能率化をもたらすために、現用の漢字かな混じり文に加え、将来は日本語の表記にローマ字文の併用を進めていこうと思うなら、正規のローマ字文の入力をそのまま直接漢字かな混じり文に変換するソフトは、日本のメーカーによってまっ先に実用化、商品化されてしかるべきものであろう。

山田尚勇「田中館愛橘・タイプライタ・日本文化」(2002)

学校の「国語」で おしえる ローマ字と ローマ字入力で つかう ローマ字が くいちがって いる せいで,ローマ字入力が つかわれる ように なってから ローマ字を まちがって かく 人が ふえて しまいました。昔は 観光地の みやげものや 漫画に よく ローマ字が かかれて いました。こどもでも ローマ字を しって いたからです。ところが,いまは おとなでも ローマ字を ただしく かけません。ローマ字入力が できてから わずか 1世代で 日本人は ローマ字の よみかき能力を うしなって しまいました。いまの 日本人は 自分の 言語を まちがいだらけの つづりで かいて,外国人を 不思議がらせて います。

この 問題の 解決策は「ふたつの ローマ字を 統一 する」で 説明 します。

ローマ字入力の 予備知識

ローマ字入力の スキルを 身に つけたい 人は ローマ字を しって いなければ なりませんが,それ だけでは たりません。日本語を ひらがなで かけないと いけません。つまり,ひらがなを しって いて 現代仮名遣いを つかいこなせないと いけません。もちろん,漢字仮名交じり文を かきたければ 漢字の 知識も いります。したがって,日本語で 会話が できる けれども よみかきは できない 外国人や「氷」の ふりがなが「こうり」か「こおり」か わからない こどもは 予備知識が たりません。


ちいさい こどもに ローマ字入力を おしえる 必要は ありませんが,もし おしえるので あれば,その 前に ローマ字を おしえて ください。「ローマ字表」を みないで ローマ字を ただしく かける ように なったら,ローマ字入力の しくみは すぐに 理解 できます。ローマ字入力を 練習 すれば ローマ字も おぼえられて 一石二鳥だと いって,こどもに いきなり ローマ字入力を おしえる 保護者が いるのですが,これは おすすめ しません。この やりかたを すると,あとから ローマ字を 勉強 するのが むつかしく なります。そのため ローマ字の 理解に 時間が かかって しまい,かえって 非効率です。

ローマ字入力の 利点と 欠点

ローマ字入力の 利点は キー配列を おぼえやすく,タッチタイピングを マスター しやすい ことです。かな入力を やろうと おもったら かな文字の キー配列と ABCの キー配列を おばえなければ なりませんが,ローマ字入力なら それが ABCの キー配列 だけで いいからです。ただし,この 利点は ローマ字を しって いる 人 だけの ものです。ローマ字を しらない 人は ローマ字の 勉強から はじめなければ ならず,ローマ字入力に 利点は ありません。

ローマ字入力の 欠点は キーを おす 回数が おおく タイピングが おそい ことです。かな入力や それから 派生 した もっと 便利な 方式に くらべると,ローマ字入力は タイピングの はやさで かないません。タイピングが はやく なる ように こつこつ 練習 して いる 人も いますが,本当に はやく なりたかったら ローマ字入力を やめる べきです。また,ローマ字入力は キーを おす 回数が おおい せいで 手が つかれやすい 欠点も あります。スピードが もとめられる しごとは して いない けれど,つかれにくいから かな入力を つかって いるという 人も いますローマ字入力は かな入力より キーを おす 回数が おおく なりますが,2倍に なる わけでは ありません。拗音・促音 などは みじかく 入力 する 方法が あるからです。たとえば,「きゃ」は かな入力なら 2回(+シフトキー)ですが,ローマ字入力は KIXYA の かわりに KYA で 入力 できるので 3回です。反対に,かな入力は 濁音・半濁音 などで キーを おす 回数が ふえます。したがって,キーを おす 回数で くらべると,ローマ字入力は かな入力の せいぜい 1.5倍 くらいだと いわれて います。それでも,タイピングの はやさを もとめる 人に とって,この ちがいは おおきい はずです。

なぜ ローマ字入力?

ローマ字入力と かな入力の 両方を ためして みた うえで ローマ字入力を えらんだという 人は あまり いません。学校や パソコン教室で ローマ字入力 しか ならわなかったとか,職場が ローマ字入力に 統一 して いるとか,おおくの 人が そんな 理由で ローマ字入力を つかって います。あたえられた ものを うたがいも せず うけいれて いる わけですが,本当に それで いいのでしょうか。どの 方式が いいかという 議論は よく 目に しますが,それは 人に よって ちがうでしょう。その 人が もとめて いる ものや もとめられて いる ものは まちまちだからです。この サイトは,しごとや あそびで パソコンを つかう ような 中級者に だけ ローマ字入力を おすすめ します。


パソコンの 初心者や ローマ字を しらない 人は かな入力が いいでしょう。まだ ローマ字を ならって いない こどもに パソコンを つかわせようと して ローマ字入力を おしえる 保護者は おおい ようですが,ちいさい こどもに ローマ字入力を おしえる 必要は ありません。ローマ字を しらない おとなが パソコンを つかいたくて ローマ字の 勉強から はじめる ことも よく ありますが,それでは まわり道です。パソコンを ほんの すこし つかう だけなら,かな入力の ほうが かんたんです。


スクリーン キーボード
(堺市立図書館 蔵書検索・予約システム)

ほとんどの 一般人は ここに あてはまります。本当は,こういう 入門レベルの 人でも つかえる やさしい キーボードを 用意 する べきです。公の 施設に ある 情報機器は 五十音図の 形を した スクリーン キーボードで ふりがなを 入力 する 方式に なって います。五十音図の 形を した「五十音図型キーボード」や かな文字の キー配列を 五十音順に した「五十音配列キーボード」を 普及 させれば,キー配列を おぼえる 必要が なく なって,パソコンも つかいやすく なります。

こどもには このような キーボードが 適して います。タブレットを つかう ばあいは 五十音図型の スクリーン キーボードが いいでしょう。いまの 小学生は 1分間に 6文字 しか 入力 できませんが,おそらく これは「ローマ字表」を みながら ローマ字入力を して いるからです。やさしい キーボードで かな入力を すれば,もっと すばやく 入力 できるでしょう日本の 失敗は,機械を 人に あわせなければ いけないのに,人を 機械に あわせようと して いる ことかも しれません。すすんだ 国では「デジタル ディバイド」を うみださない ように,IT化の いきすぎや かたよりを ふせぐ とりくみが おこなわれて います。平等で 民主的な 世の中を めざすので あれば,それが あたりまえです。ところが 日本では まったく 反対の ことが おこなわれて います。「五十音図型キーボード」や「五十音配列キーボード」が 一般に ひろまれば,パソコンで 日本語入力を する しごとは だれでも できる ように なります。もちろん,かな漢字変換の しくみを 理解 しないと 日本語入力は できませんから,まったく トレーニング なしという わけには いきませんが,それでも キーボードの 操作を 練習 しないと しごとが できない いまより はるかに ましです。ここで しめして いる「五十音配列キーボード」は イメージです。具体的な キー配列の 提案では ありません。上の 図は 通常,下の 図は Shift を おした とき。1面と 2面の きりかえを どう するかは かんがえて いません。五十音配列の キーボードは じっさいに 商品化 されて いる ものが あります。漢字仮名交じり文を 入力 する 作業で 小学生が 1分間に 入力 できる 文字数は 5.9文字です(文部科学省「情報活用能力調査」,2014年)。外国人が この 事実を しったら おどろくのでは ないでしょうか。

パソコンを つかう ことが ほとんど ない 人は かな入力が いいでしょう。こういう 初級レベルの 人は キーボードを みながら ゆっくり タイピング できれば それで 十分です。いわゆる「一本指打法」で かまいません。外国には 両手の 人さし指 だけで キーボードを つつく ように タイピング して いる 人も よく います。キー配列を おぼえて いないと,ときどき キーを さがして もたもた しますから,キーを おす 回数の すくない 方式に メリットが あります。ただし,この レベルの 人でも なれて くると ABCの キー配列を 自然に おぼえて しまうでしょう。そう なったら,ローマ字入力に きりかえる 手も あります。キーを おす 回数は ふえますが,キーを さがして もたつく ことが ないので,むしろ 快適に なりますふだん スマートフォン しか つかわない 人なら フリック入力が できれば 十分です。パソコンを つかう ときは,つかいなれた スマートフォンを 入力用の 端末に して,それで 入力 した データを パソコンに おくりこむ ような つかいかたが ひろまって いくかも しれません。

しごとや あそびで パソコンを つかう 人には ローマ字入力が 適して います。ABCの キー配列 だけ おぼえて しまえば,キーボードを みながら ローマ字入力が できます。しごとでは タッチタイピングが もとめられる ことも ありますが,タッチタイピングを マスター しやすいのは ローマ字入力です。てっとりばやく 中級者レベルの 快適さと 能率を 手に いれたかったら ローマ字入力が 一番です。

ワープロ専用機の 時代から かな入力で タッチタイピングを して いる ような ベテランが ローマ字入力を 練習 する 必要は まったく ありません。すでに 上級者レベルの 快適さと 能率を 手に いれて いるからです。

要約筆記の ように タイピングの はやさが もとめられる ばあいや,作家や 記者の ように キーボードを たたいて いる 時間が ながい ばあいは,手が つかれやすい ローマ字入力は よく ないでしょう。このような プロの レベルには かな入力や それから 派生 した もっと 便利な 方式が 適して います。

タイピングの 練習を 趣味として たのしんで いる 人も います。そんな 人は かな入力や ローマ字入力から 派生 した 方式が たくさん あるので,いろいろ ためして みると おもしろいでしょう。

もっと おぼえやすく

現在 つかわれて いる ローマ字入力は 設計に まずい ところが たくさん あります。特に,ローマ字テーブルの 設計が よく ない せいで,キーの おしかたに 規則性が なく,おぼえにくく なって います。そのため,「ゐ」「とぅ」「つぇ」などは 入力 する やりかたを しらない 人が います。「っ」の 入力方法も よく ない ため,すこし 特殊な つづりの「あっ」「いっぬ」「うっう」などを かんたんに 入力 できません。「ん」の 入力方法にも 問題が あります。

もし ローマ字テーブルを カスタマイズ できれば,これらの 欠点は カバー できて,ローマ字入力は もっと おぼえやすく つかいやすく なります。この サイトが すすめる ローマ字テーブルが あります。参考に して ください。

訓令式? ヘボン式?

ローマ字入力に 訓令式ヘボン式 などの 方式は ありません。ローマ字入力は ローマ字を 日本語入力システムに 応用 した もので あって,ローマ字とは ちがう 別の ものです。しかも,その 設計が まずい せいで,キーの おしかたが 学校の「国語」で おしえる ローマ字と おなじに なって いません。

こういう わけですから,ローマ字入力では 訓令式ヘボン式の どちらが いいかという 議論にも あまり 意味は ありません。ローマ字を かく ときに 訓令式ヘボン式を まぜては いけませんが,ローマ字入力に そんな きまりは なく,複数の やりかたが できる ときは どの やりかたで 入力 しても かまいません。おぼえやすい キー,おしやすい キーを つかえば よく,人に よって やりかたが ちがって いても かまいませんローマ字の 方式と タイピングの スピードや おぼえやすさの 関係は よく 議論に なる ようです。しかし,スピードを もとめるのなら ローマ字入力を やめて かな入力に する べきですし,規則的で おぼえやすい ほうが いいという 主張なら それは 日本式です。

じっさいは いろいろな 方式が まざりあって いる はずです。「し」は SI,「ち」は TI,「つ」は TU に すると キーを おす 回数が すくないので,ここでは 訓令式を つかう 人が おおいでしょう。「じゃ」は JA に すると キーを おす 回数が すくないので,ここでは ヘボン式を つかう 人が おおいでしょう。「ぢ」は 日本式DI,「フィ」は 標準式FI,そして「ティ」は 独自方式の THI で 入力 しなければ なりません。

ふたつの ローマ字

学校の ローマ字と パソコンの ローマ字

ここでは,学校の「国語」で ならう ローマ字を《学校の ローマ字》と よび,ローマ字入力の ローマ字を《パソコンの ローマ字》と よぶ ことに します。

《学校の ローマ字》は 明治時代から つかわれて いて,昔から 一部の 学校で おしえられて いました。それに たいして,《パソコンの ローマ字》は ワープロ専用機が 開発 された あとに できた もので,1980年代の おわりごろから 一般に ひろまりました。そのため,《パソコンの ローマ字》が 最新式の ローマ字で,《学校の ローマ字》は 時代おくれの ふるくさい ローマ字だと かんがえて いる 人も いる ようです。しかし,そうでは ありません。《パソコンの ローマ字》は 昔から ある《学校の ローマ字》を あたらしい 技術に 応用 した もので,《学校の ローマ字》の 改良バージョンでは ありません。《学校の ローマ字》と《パソコンの ローマ字》は ローマ字の 方式が ちがうのでは なく,まったく ちがう 別の ものです。

《学校の ローマ字》には 訓令式ヘボン式 などの 方式が あり,かきかたが きまって います。それに たいして,《パソコンの ローマ字》は メーカーが 独自に つくった もので,キーの おしかたに 公式の ルールは ありませんローマ字入力で ABCを ふりがなに 変換 する ルール(ローマ字テーブル)は メーカーの 独自設計です。以前は JIS規格 X 4063:2000「仮名漢字変換システムのための英字キー入力から仮名への変換方式」が あったのですが,廃止 されて いまは もう ありません。

よみかたか ふりがなか

《学校の ローマ字》は 日本語の 音声を ラテン文字(ABC)で かいた もので,ことばの よみかたを ほぼ そのまま ABCに 変換 した つづりかたです。それに たいして,《パソコンの ローマ字》は ことばの ふりがなを ABCの キーで 入力 する やりかたです。このように,《学校の ローマ字》と《パソコンの ローマ字》には,変換の むきが 反対という ちがいも ありますが,よみかたか ふりがなかという ちがいが あります。《学校の ローマ字》は よみかたで きまります。《パソコンの ローマ字》は ふりがなで きまります。

《学校の ローマ字》《パソコンの ローマ字》
〈オーカミ〉 → ôkamiookami → 「おおかみ」
王様〈オーサマ〉 → ôsamaousama → 「おうさま」
子牛〈コウシ〉 → kousikousi → 「こうし」
講師〈コーシ〉 → kôsikousi → 「こうし」

※ 〈 〉は よみかたを,「 」は ふりがなを しめして います。


よみかたと ふりがなで ちがいが できるのは ふりがなの かきかたに 欠点が あるからです。じつは,ふりがなは じっさいの 発音を そのとおりには かきません。逆に いえば,かいて ある とおりに よまない ところが あります。

ふたつの ローマ字に ちがいが できる もっとも おおきな 原因は これです。

《学》 watasi wa(私は)
《パ》 watasi ha(私は)
《学》 kûki(空気)
《パ》 kuuki(空気)
《学》 ôsama(王様)
《パ》 ousama(王様)
《学》 hanazi(鼻血)
《パ》 hanadi(鼻血)

表音文字は ことばの 音声を かく 文字だという 基本に もどって かんがえれば,ふりがなの かきかたには まずい ところが あります。その ふりがなを 入力 する しくみに なって いる《パソコンの ローマ字》にも まずい ところが あります。この 理由から,ふたつの ローマ字を くらべると,全体的には《学校の ローマ字》の ほうが よく できて います。

ふたつの ローマ字が くいちがって いる 問題を 解決 しようと する とき,これが 重要に なるので おぼえて おいて ください。


このほかの 理由でも ふたつの ローマ字に ちがいが できます。ここから 下では そういう 例を しめします。

撥音

撥音(ん)の つぎに a, i, u, e, o, y, n が あると,ふたつの ローマ字に ちがいが できます。「ん」の つぎにア行・ヤ行・ナ行の 文字 または「ん」が ある ばあい,ローマ字入力は「ん」を NN で 入力 するのが ふつうです。そのため,ローマ字の かきかたと おなじに なりません。

《学》 kin'en(禁煙)
《パ》 kinnen(禁煙)
《学》 sin'ya(深夜)
《パ》 sinnya(深夜)
《学》 onna(女)
《パ》 onnna(女)

これは ローマ字入力の 設計ミスが 原因です。「ん」を NN で 入力 する ように したのが 失敗でした。「ん」の つぎに ア行・ヤ行の 文字が ある ときは n' で「ん」を 入力 する ように して,「ん」の つぎに ナ行の 文字 または「ん」が ある ときは nn を 促音と 解釈 しない 設計に する べきでした。

n' は キーが おしにくいですが,' を 別の 記号(もっと おしやすい キー)でも いい ように すれば つかいやすく なります。「ん」専用の キーを つくれば さらに つかいやすく なります。ローマ字入力は ABCの キーで ふりがなを 入力 する 方式ですから,本当は「ん」に 対応 する キーを つくるのが 自然な 設計で あった はずです。じっさい,昔は X で「ん」を 入力 できる 製品も ありました。ところが,この キー操作は ひろまらず,いまでは NN が 一般的に なって いますn' は つかえる ことも ありますが,存在 じたいが しられて おらず,つかわれて いません。X は すこし おしにくい キーなので きらわれたのかも しれませんが,それなら もっと おしやすい キーに すれば よかった はずです。この サイトが すすめる ローマ字テーブルL で「ん」を 入力 できる ように して います。

発音 できない 表記

《パソコンの ローマ字》では 小がきの 文字(「っ」「ゃ」「ぁ」など)や 長音の 記号「ー」を それ だけでも 入力 できます。これで,発音 できない つづりも 入力 できます。《学校の ローマ字》は よみかたを かく ものですから,存在 しない 音声は かけません。

《学》 〔かけない〕(アッー)
《パ》 altu-, axtsu-(アッー)

特殊音

《パソコンの ローマ字》は 外来語や オノマトペで つかわれる〈ティ〉〈ファ〉〈チェ〉などの 特殊音を 入力 できます。《学校の ローマ字》は 特殊音の かきかたを さだめて おらず,正式の かきかたが きまって いません。

《学》 〔きまりが ない〕(ファン)公式の ルールで かきかたが さだめられて いない だけで,じっさいには いろいろな かきかたが おこなわれて います。よく つかわれるのは,訓令式では hwanヘボン式では fan です。
《パ》 fan(ファン)

ことなる 方式を まぜる

《学校の ローマ字》は 訓令式ヘボン式を まぜて つかえません。《パソコンの ローマ字》に そんな きまりは なく,キーボードを 操作 しやすい やりかたで 入力 できます。

《学》 zyosi, joshi(女子)
《パ》 zyosi, joshi, josi, zyoshi(女子)

独自の つづり

《パソコンの ローマ字》には 独自の つづり(キーの おしかた)が あります。

《学》 otya, ocha(お茶)
《パ》 otya, ocha, ocya(お茶)

「ワープロ式」

「ワープロ式」の かきかた

ローマ字と ローマ字入力を 混同 して いる 人が おおい せいで,特徴的な まちがいかたの ローマ字が ひろまって います。つぎの ような かきかたです。

× kuuki(空気)
× ousama(王様)
× watasi ha(私は)
× Yuduru(結弦)
× onnna(女)
× bo-ru(ボール)

この かきかたは「ワープロ式」と よばれて います。ローマ字としては 完全な まちがいです。ただしい ローマ字を しって いる 人でも ローマ字入力に なれて いると うっかり やって しまう ことが ありますから,気を つけて ください。

「ワープロ式」の 利点

「ワープロ式」は 長音符号つき文字を つかわないので,キーボードで 入力 する ときに 便利です。これは 利点とも みなせます。また,「ワープロ式」は 本質的に 現代仮名遣いと おなじ かきかたなので,実用レベルでは ほぼ まちがいなく よめます。ローマ字としては 完全に まちがいですが,実用性は あります。この 意味で,「ワープロ式」は「英語式」より はるかに ましです。

そこで,この かきかたを すすんで つかって いこうという かんがえも あります。それが 99式です。これは 訓令式を 基本と しながらも,一部で「ワープロ式」と おなじ かんがえかたを とりいれて いて,ローマ字入力を つかって いる 人には たいへん わかりやすく やさしい 方式です。

okaasan(お母さん)【99式
otousan(お父さん)【99式

「ワープロ式」の 欠点

ローマ字は ふりがなを ABCに 変換 した ものでは なく,日本語の 音声を ABCに 変換 した ものです。これは ローマ字が はじめて つくられた ときから そうでした。16世紀の 日本に やって きた 外国人は「奉公(ほうこう)」を fôcô と かいて いましたし,明治時代の 日本人は「今日(けふ)」を kyô と かいて いました。このように,ローマ字は もともと ことばの 音声を ABCに 変換 する ものです。この 意味で,ふりがなを ABCに 変換 する「ワープロ式」は ローマ字の 原則から はずれて います。

「ワープロ式」を よみかき できるのは 現代仮名遣いを しって いる 人 だけです。しかし,現代仮名遣いには 不合理で ややこしい ところが あり,これを おぼえるのも つかうのも かんたんでは ありません。したがって,「ワープロ式」を だれに とっても やさしい ローマ字と かんがえるのは あやまりです。ローマ字には 日本語の よみかきを やさしく する 目的が あるのですから,ローマ字が 現代仮名遣いに よりかかった かきかたでは いけません現代仮名遣いを 理屈で おぼえた 人は いない はずです。たとえば,「氷」「公理」の 発音は どちらも〈コーリ〉なのに,どうして これらを「こおり」「こうり」と かくのか,理屈で 説明 できる 人は すくないでしょう。つまり,理屈では なく 暗記に ちかい やりかたで おぼえたのです。これは たいへん 効率の わるい 学習方法ですが,そう する しか ありませんでした。なぜなら,現代仮名遣いの ルールは 歴史的仮名遣いの ルールに 依存 して いる ところが あるからです。現代仮名遣いを 理屈で おぼえようと すれば,歴史的仮名遣いの 知識が いります。けれども,歴史的仮名遣いは 現代仮名遣いと くらべものに ならない ほど むつかしいので,小学生に 理解 できる かんたんな 説明が できません。ローマ字には 日本語を 合理的に かくという 目的が あります。これは かんたんな 理屈で 説明 できる かきかたに する ことで,つまり よみかきを やさしく するという 意味です。ローマ字の 目的に ついては「ローマ字の 目的」も およみ ください。

学校の「国語」で おしえる 訓令式は 日本語の 性質に あわせて 設計 されて いるので,日本語の 研究,「国語」の 勉強,そして 外国人に 日本語を おしえる 日本語教育で 役に たちます。しかし,「ワープロ式」は ふりがなを もとに した 暗号 みたいな もので,ふりがな 以上の 役に たちません外国人に 日本語を おしえる ときは,はじめに 訓令式の ローマ字を おしえる べきです。旅行で つかう 会話を おぼえたい 人に むつかしい 漢字や かな文字を おしえる 必要は ありません。

ローマ字テーブル

いまの ローマ字入力は ローマ字テーブルの 設計が まずい せいで キーの おしかたに 規則性が なく,やや おぼえにくい ところが あります。そのため,「ゐ」「とぅ」「つぇ」などは 入力 する やりかたを しらない 人が います。また,すこし かわった つづりの「あっ」「いっぬ」「うっう」などを かんたんに 入力 できません。

ローマ字テーブルを 変更 すれば この 問題は 解決 できます。ローマ字テーブルを カスタマイズ する 人の ために,この サイトの アイデアを しめして おきます。参考に して ください。

特徴は つぎの とおり。

基本
AIUEO
KAKIKUKEKO
SASISUSESO
TATITUTETO
NANINUNENO
HA
 
HI
 
HU
FU 1
HE
 
HO
 
MAMIMUMEMO
YAYIYUYEYO
RARIRURERO
WAWIWUWEWO
GAGIGUGEGO
ZA
 
ZI
JI 1
ZU
 
ZE
 
ZO
 
DADIDUDEDO
BABIBUBEBO
PAPIPUPEPO
VU 1
イ段+「ゃ」「ぃ」「ゅ」「ぇ」「ょ」 (-Y-)
いゃいぃいゅいぇいょ
XYAXYIXYUXYEXYO
きゃきぃきゅきぇきょ
KYAKYIKYUKYEKYO
しゃしぃしゅしぇしょ
SYASYISYUSYESYO
ちゃちぃちゅちぇちょ
TYATYITYUTYETYO
にゃにぃにゅにぇにょ
NYANYINYUNYENYO
ひゃひぃひゅひぇひょ
HYAHYIHYUHYEHYO
みゃみぃみゅみぇみょ
MYAMYIMYUMYEMYO
りゃりぃりゅりぇりょ
RYARYIRYURYERYO
ぎゃぎぃぎゅぎぇぎょ
GYAGYIGYUGYEGYO
じゃじぃじゅじぇじょ
ZYA
JA 1
ZYI
 
ZYU
JU 1
ZYE
JE 1
ZYO
JO 1
ぢゃぢぃぢゅぢぇぢょ
DYADYIDYUDYEDYO
びゃびぃびゅびぇびょ
BYABYIBYUBYEBYO
ぴゃぴぃぴゅぴぇぴょ
PYAPYIPYUPYEPYO
ウ段+「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」 (-W-)
うぁうぃうぅうぇうぉ
XWAXWIXWUXWEXWO
くぁくぃくぅくぇくぉ
KWAKWIKWUKWEKWO
すぁすぃすぅすぇすぉ
SWASWISWUSWESWO
つぁつぃつぅつぇつぉ
TWATWITWUTWETWO
ぬぁぬぃぬぅぬぇぬぉ
NWANWINWUNWENWO
ふぁふぃふぅふぇふぉ
HWA
FA 1
HWI
FI 1
HWU
 
HWE
FE 1
HWO
FO 1
むぁむぃむぅむぇむぉ
MWAMWIMWUMWEMWO
るぁるぃるぅるぇるぉ
RWARWIRWURWERWO
ぐぁぐぃぐぅぐぇぐぉ
GWAGWIGWUGWEGWO
ずぁずぃずぅずぇずぉ
ZWAZWIZWUZWEZWO
づぁづぃづぅづぇづぉ
DWADWIDWUDWEDWO
ぶぁぶぃぶぅぶぇぶぉ
BWABWIBWUBWEBWO
ぷぁぷぃぷぅぷぇぷぉ
PWAPWIPWUPWEPWO
ヴぁヴぃヴぅヴぇヴぉ
VWA
VA 1
VWI
VI 1
VWU
 
VWE
VE 1
VWO
VO 1
エ段+「ゃ」「ぃ」「ゅ」「ぇ」「ょ」 (-J-)
てゃてぃてゅてぇてょ
TJA
 
TJI
T'I
TJU
 
TJE
 
TJO
 
でゃでぃでゅでぇでょ
DJA
 
DJI
D'I
DJU
 
DJE
 
DJO
 
オ段+「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」 (-V-)
とぁとぃとぅとぇとぉ
TVA
 
TVI
 
TVU
T'U
TVE
 
TVO
 
どぁどぃどぅどぇどぉ
DVA
 
DVI
 
DVU
D'U
DVE
 
DVO
 
ウ段+「ゃ」「ゅ」「ょ」 (-WY-)
ふゃふゅふょ
HWYA
FYA 1
HWYU
FYU 1
HWYO
FYO 1
ぶゃぶゅぶょ
BWYABWYUBWYO
ヴゃヴゅヴょ
VWYA
VYA 1
VWYU
VYU 1
VWYO
VYO 1
小がきの 文字と 記号 (X-)
XAXIXUXEXO
XTUXJA 2XJU 2XJO 2XVA 2
XKAXKEXB 3XP 3XD
特殊拍(撥音・促音・長音)
N, NN, N'L 4Q 4-C 4

(1) F, J, V の 系列は のこして あります。

(2) すこし かわって いるので,気を つけて ください一般的な ローマ字入力では「ゃ」「ゅ」「ょ」「ゎ」を 入力 する キー操作は XYA, XYU, XYO, XWA です(XL でも いい)。もし 「ゃ」を だそうと して XYA と キーを おして しまっても,「いゃ」に 変換 されるので,「ゃ」が でて きます。しかし,「ゎ」を だそうと して XWA と キーを おして しまうと,「うぁ」に 変換 されるので,「ゎ」が でて きません。

(3) 濁点と 半濁点を むりやり つける ときに つかいます。

(4) LQC は 単独で「ん」「っ」「-」を 入力 する キーです。つぎの ように つかいます。


Google日本語入力用の 設定ファイルが あります。ご自由に おつかい ください。

この キー操作は この サイトが すすめる 特殊音の かきかたを もとに して います。くわしくは「この サイトの かきかた」を およみ ください。

ふたつの ローマ字を 統一 する

あらまし

現状の 問題

学校の「国語」で ならう《学校の ローマ字》と ローマ字入力で つかう《パソコンの ローマ字》は ちがいます。これでは 実用上の 不便や 教育上の むだが あり,何も いい ことは ありません。いまは 小学生に ローマ字と ローマ字入力を 同時に おしえて いますが,これが かえって ローマ字の 理解を さまたげて います。おとなでも ローマ字と ローマ字入力を 混同 して まちがった ローマ字を かく 人が よく います。

《学》 ohayô(おはよう) konbanwa(こんばんは)
《パ》 ohayou(おはよう) konbanha(こんばんは)

そこで,ふたつの ローマ字を 統一 できないか かんがえます。

かなづかいを あらためる

ひとつの 道は 現代仮名遣いを あらためる ことです。現代仮名遣いは 歴史的仮名遣いを あらためて,つづりを 発音に あわせる 表音化を すすめた ものです。しかし,その 表音化は 不完全で,発音と つづりが すこし ずれて います。もし 表音化を もっと すすめられたら,ふたつの ローマ字は 自動的に ちかづいて いきます。

具体的には「おはよう」「こんばんは」を「おはよー」「こんばんわ」に かえて いく ことです。この かきかたは 昔から あり,わかい 世代には うけいれられて います。発音と つづりの ずれが ないので,日本語の よみかきが やさしく なり,こどもや 外国人が 日本語を まなびやすく なります。日本語が より 能率的・民主的に なる わけです。

《学》 ohayô(おはよー) konbanwa(こんばんわ)
《パ》 ohayo^(おはよー) konbanwa(こんばんわ)

しかし,一部の 保守派は これに すさまじい 反発を しめします。ほとんどの 一般人も 習慣を あらためる 提案には つめたい 態度を とりがちです。かなづかいの 改革が ひろい 共感を えるのは むつかしく,前むきな 議論が おこなわれる ことも なさそうです。

ローマ字を あらためる

もう ひとつの 道は,ふたつの ローマ字の うち どちらか 一方を かえる ことです。やりかたは ふたつ あります。

  1. 《学校の ローマ字》を かえて《パソコンの ローマ字》に あわせる。
  2. 《パソコンの ローマ字》を かえて《学校の ローマ字》に あわせる。

あらため案1

あらため案1は《学校の ローマ字》を かえて《パソコンの ローマ字》に あわせます。ローマ字は 日本語の 音声を ABCで かく ものですが,あらため案1は この 原則を かえて しまう わりきった かんがえです99式は これに ちかい 方式とも かんがえられます。

《学》 ohayou(おはよう) konbanha(こんばんは)
《パ》 ohayou(おはよう) konbanha(こんばんは)


しかし,この やりかたでは ローマ字が いちじるしく 劣化 します。いまの ローマ字は かいて ある とおりに よめて よんで いる とおりに かけるのに,あらため案1の ローマ字は それが できません。それどころか,この ローマ字は 現代仮名遣いを しって いる 人に しか よみかき できません。いまの ローマ字は「氷」が「こおり」か「こうり」か わからない こどもでも よみかき できる ほど やさしいのに,あらため案1の ローマ字は それが できません。

この 欠点は すくいようが なく,あらため案1は とれませんもう すこし くわしく 説明 します。kousi は「講師」の 意味なら〈コーシ〉,「子牛」の 意味なら〈コウシ〉と よみます。ローマ字の つづりが おなじでも どちらの 意味かで 発音が かわります。〈トーリ〉は「通り」の 意味なら toori,「党利」の 意味なら touri と かきます。発音が おなじでも どちらの 意味かで ローマ字の つづりが かわります。文脈から 意味が わからなかったら,よめなかったり かけなかったり します。しらない 固有名詞だったら お手あげに なるかも しれません。「青梅(おうめ)」という 地名を 一度も 耳に した ことの ない 人は Oume を みても〈オウメ〉か〈オーメ〉か わかりません。(この 地名は 現行の ローマ字で かかないと よみかたが わからないという めずらしい 例です。漢字の「青梅」を みても,ふりがなの「おうめ」を みても,「青梅」と「おうめ」の 両方を みても,ただしい よみかたが わかりそうで わかりません。現行の ただしい ローマ字で Ôme と かいて あれば よみかたが はっきり わかります。)


じつは,こう なるのは あたりまえです。ローマ字の かきかた(訓令式)と ふりがなの かきかた(現代仮名遣い)を くらべると,全体的には ローマ字の かきかたの ほうが うまく 設計 されて いるからです。

したがって,ふたつの ローマ字の うち どちらかを かえると したら,かえるのは《パソコンの ローマ字》です。

あらため案2

あらため案2は《パソコンの ローマ字》を かえて《学校の ローマ字》に あわせます。

《学》 ohayô(おはよう) konbanwa(こんばんは)
《パ》 ohayo^(おはよう) konbanwa(こんばんは)


この ローマ字入力では,「空気」「ケーキ」「後期」を kûki, kêki, kôki という ローマ字で 入力 しますが,キーボードには û, ê, ô などの 文字を 入力 する キーが ありません。そこで,kuuki, keeki, kooki または ku^ki, ke^ki, ko^ki という 代用表記で 入力 します。

現行
KUUKI →「くうき」 → 空気
KE-KI →「けーき」 → ケーキ
KOUKI →「こうき」 → 後期

あらため案2-A(母音字かさね式)
KUUKI → 空気
KEEKI → ケーキ
KOOKI → 後期

あらため案2-B(^後置式)^ は すこし おしにくいので,@; でも いい ように すると つかいやすく なります。この あたりの 操作性は アイデアしだいで よく なります。
KU^KI → 空気
KE^KI → ケーキ
KO^KI → 後期


中国には ピンインという ローマ字が あります。ピンインを 入力 して それを 漢字表記に 変換 する ピンイン入力も あります。中国人は 小学校に はいると すぐに ピンインを ならうので,ピンイン入力は こどもでも つかえる やさしい 方式です。

NIHAO → 你好 【ピンイン入力】

現行の ローマ字入力は 独自方式の ローマ字を 入力 して それを ふりがなに 変換 して,さらに それを 漢字かな表記に 変換 するという たいへん ややこしい しくみです。それに たいして,あらため案2の ローマ字入力は ただしい ローマ字を 入力 して それを そのまま 漢字かな表記に 変換 する しくみで,ピンイン入力と おなじ やさしい 方式ですこの ばあい,かな入力と ローマ字入力で おなじ 変換辞書が つかえません。いまの ローマ字入力が ローマ字で 入力 した ふりがなを 漢字かな表記に 変換 する 2段階の 方式に なって いるのは,かな入力と ローマ字入力で おなじ 変換辞書が つかえるからです。1980年代は まだ 機械の 性能が わるく,変換辞書を 共用 できる やりかたが 採用 されたのでしょう。人間が 機械に あゆみよって いた わけです。いまは 機械の 性能が よく なって いるのですから,機械を 人間に あわせる やりかたに かえる べきです。


もし これが できれば,《学校の ローマ字》と《パソコンの ローマ字》が くいちがって いる 問題は なく なります。ローマ字入力で ただしい ローマ字を 入力 できる ように なれば,小学生が ローマ字と ローマ字入力を 同時に おしえられても 混乱 しなく なり,ローマ字を ただしく 理解 できます。ローマ字を ただしく かける 人が ふえる ことは 日本の 産業・文化 そして 日本語を 発展 させる 力に なるでしょう。

かなづかいの 表音化

あらため案2は 日本語の 表記システムに よい 影響を あたえます。「おはよー」「こんばんわ」の 違和感が うすれて,かなづかいの 表音化を おしすすめる 力が うまれるからです。

現代仮名遣いには 不合理な ところが あり,おぼえるのも つかうのも かんたんでは ありません。「氷」「公理」「小売り」の 発音は〈コーリ〉〈コーリ〉〈コウリ〉ですが,ふりがなは「こおり」「こうり」「こうり」です。なぜ こんな おかしな ことに なるのかを 理屈で 説明 できる 人は すくないでしょう。かなづかいを 表音化 すれば,これらの ふりがなは「こーり」「こーり」「こうり」に なります。これなら こどもでも すぐに おぼえられます。

日本語の 表記システムが やさしく なれば,日本語が おぼえやすく つかいやすく なり,日本の 産業や 文化が 発展 します。日本語の かきことばが むつかしすぎて こまって いる 人も 情報や 知識を えられる ように なり,世の中が より 民主的に なります。外国人が 日本語を まなびやすく なり,日本語の 国際的な 地位が たかまる だけで なく,日本と 外国の 関係が よく なります。

外国では かきことばの 改革が よく おこなわれます。たとえば,ポルトガル語は ポルトガルと ブラジルで かきかたに ちがいが あった ため,さまざまな むだと 不便が ありました。そこで,2009年に かきかたを 統一 しました。この 改革には 工業製品や 文字情報の 流通を よく する 経済的な もくろみ だけで なく,ポルトガル語の 国際的な 地位を たかめる 政治的な ねらいも ありました。国連の 公用語が 目標とも いわれて います。このように,言語政策は 国の 戦略でも ある わけですかきかたを 統一 するに あたって,全体的に ブラジルの かきかたに ひきよせる 形に なりました。人口が すくないとは いえ 本家が 道を ゆずった わけで,ポルトガル人の 心は おだやかで なかったかも しれません。身を きる 決断が できたのは つよい 目的意識が あったからでしょう。ところで,日本の 経済力から かんがえると,国連で はたらく 日本人の 割合は すくない ことが しられて います。その 理由は 日本語が 国連公用語に なって いないからです。国連の 職員に なるには 国連公用語の 中の ふたつの 言語を マスター しなければ ならない きまりが あり,これが 日本人にとって たかい 壁に なって います。もし 日本語が 国連公用語に なれば,日本の メリットは どれだけ おおきいでしょうか。しかし,戦略を もたない 日本政府は 言語政策を 文化論と しか かんがえて いません。これでは 日本語の 国際的な 地位が たかまる のぞみも ありません。一般人も 日本語の はなしと いえば 耳に ここちよい 文化の はなしに かたむきがちです。もちろん それも 大切ですが,言語の 問題は 世の中の 問題でも ある ことを わすれては いけません。

日本も かきことばの 改革を 意識的に すすめて いく べきです。その 方向性は かな文字論ローマ字論ですが,漢字仮名交じり文の かきかたを あらためる 範囲内でも できる ことは たくさん あります。その ひとつが かなづかいの 表音化です。もし ローマ字入力が 改革 されたら,それが 自然に すすんで いくかも しれません。「棒引き仮名遣い」も およみ ください。

【よみもの】 かな漢字変換

機械で 日本語の 文章を かく とき,いまは パソコンや スマートフォンに くみこまれて いる 日本語入力システムを つかって 漢字仮名交じり文が かけます。しかし,タイプライターを つかって いた 時代には かな文字文や ローマ字文 しか かけませんでした。漢字仮名交じり文が かける ように なり,便利に なった ように おもえますが,本当に そうでしょうか。そうとは いえません。漢字仮名交じり文には 不便な ところが あるからです。それは「かな漢字変換」です。


かな漢字変換

漢字仮名交じり文を 入力 するには「かな漢字変換」を しなければ なりません。これは 画面に 表示 された 変換候補を 目で みて おこないます。タッチタイピングが できる 人でも 画面は みなければ なりません。手がきの 原稿を 機械で 清書 する ような 作業では,原稿と 画面とを 交互に みなければ ならず,作業の 能率が いちじるしく おちて しまいます。

パソコンで 文書が つくれる ように なって,日本は 事務処理の 能率でも 欧米に おいついたと おもって いる 人が いるかも しれません。しかし,事実は まったく ちがいます。文書を つくる スピードで くらべたら,日本は 欧米の 足元にも およびませんよく ローマ字入力と かな入力の どちらが いいかが 議論に なりますが,「かな漢字変換」を やって いる かぎり ドングリの せいくらべです。漢字を やめなければ 日本は 事務処理の 能率で 欧米に おいつけません。ワープロや パソコンの おかげで 漢字の 問題は 解決 したと おもって いる 人は おおいのですが,それは おおまちがいです。漢字の 問題というのは,漢字が 機械で あつかえなかった ことでは なく,日本語を 漢字で かく 不合理の ことです。この 問題は 漢字を やめない かぎり なく なりません。

かな文字文や ローマ字文には「かな漢字変換」の むだが ありません。手がき原稿を 清書 する ときは,原稿 だけ みて いれば いい わけです。文章を かんがえながら かく ときは,目を とじた まま 作業が できるかも しれません。

ローマ字運動の 父と よばれる 田中館愛橘(たなかだて あいきつ)は 明治から 昭和に かけて 活躍 した 人です。かれの しごとべやからは いつも タイプライターの キーを たたく 音が きこえて いました。昔は 停電が おおく,とつぜん へやが まっくらに なる ことも ありましたが,そんな ときも タイプライターの 音が とぎれる ことは なかったと いわれて います偉人の エピソードです。どこまで 本当の はなしか わかりません。