変な ローマ字
HEN NA RÔMAZI

変な ローマ字とは
Hen na Rômazi towa

まちがって かかれた ローマ字
Matigatte kakareta Rômazi

変な ローマ字とは まちがって かかれた ローマ字です。下に 具体例を しめして います。まちがいさがしを して みて ください。どこが 変か わかりますか?

なぜ 変な ローマ字が 問題なのか?
Naze hen na Rômazi ga mondai na no ka?

ローマ字を かく ときに 個人が うっかり やって しまう まちがいは,世の中に たいする 影響力が ありませんから,これらは いちいち とりあげて さらしものに しなくて いいでしょう。けれども,公の 表示で つかわれて いる ローマ字は はなしが ちがいます。おおくの 人の 目に ふれる もの,とりわけ 外国人の 目に ふれる ものは みすごす わけに いきません。まちがった ローマ字は まちがった 日本語を 世界に ひろめて しまうからです。このような まちがいを そのままに して おくのは 国際的に はずかしい ことです。

ちょっと かんがえて みて ください。旅行で フランスへ いったと します。そこで 目に うつる フランス語の つづりが まちがいだらけ という ありさまを おもいうかべる ことが できるでしょうか。こまった ことに,いまの 日本は そう なって います。

変な ローマ字の パターン
Hen na Rômazi no patân

ただしい ローマ字
Tadasii Rômazi

ローマ字の かきかたは「ローマ字のつづり方」という 公式の ルールで さだめられて います。これに のっとって かかれた ものが ただしい ローマ字です。

Tôkyô(東京) 【訓令式
Tōkyō(東京) 【ヘボン式

ところが,この ルールから はずれた 変な ローマ字を よく みかけます。

「英語式」
"Eigosiki"

変な ローマ字の 代表は 学校の「英語」で おしえる ローマ字です。これは もともとの ヘボン式から 記号を とりのぞいた もので,この サイトは この かきかたを ヘボン式と 区別 して「英語式」と よんで います。ふつう,日本語から 英語に なった ことばは この つづりに なります。英語としては この つづりが ただしい わけですが,日本語(ローマ字)としては 完全に まちがいです。

パスポートや 道路標識の ローマ字は この「英語式」を もとに して います。企業や 芸能人の 名前も ローマ字表記は この かきかたに なって いる ものが おおいでしょう。そのため,「英語式」は 日常生活で もっとも よく 目に する ローマ字です。

Tokyo(東京)
koban(交番)

けれども,「英語式」は たいへん まずい かきかたです。日本人が みても まともに よめない ことが あります。英語に なって いない 日本語を この かきかたに した ところで,そんな 英単語は ないのですから,外国人にも 意味が つたわりません。「英語式」には 実用性が なく,つかえば つかう ほど 世の中が 不便に なります。さらに,「英語式」は 英語風の つづりかたなので,日本が 公の 表示で これを 採用 して いる ことには 国際的な 問題が あります。外国人には 日本が 一人前の 国で ない ように みえて しまいます。

× Taro(太郎,タロ?)
× Jiro(次郎,ジロ?)

「英語式」は 学校の「英語」の ほかでは つかわない ほうが いいでしょう。パスポートの 名前では 基本的に「英語式」を つかう きまりに なって いますが,つかわない よう おすすめ します。「パスポートむけ訓令式」に すれば 実用上の 問題も 国際的な 問題も ありません。

「ワープロ式」
"Wâpurosiki"

ローマ字と ローマ字入力を 混同 して いる 人は とても おおく,ローマ字入力の ときに おす キーを そのまま かいて しまう まちがいが あります。これは 一般人が かく ローマ字に もっとも おおい まちがいです。ワープロが 開発 されて ローマ字入力が つかわれる ように なってから 爆発的に ふえた まちがいで,「ワープロ式」と よばれて います。オ段の 長音を ou に するのが 特徴です。

× ohayou(おはよう)
× konbanha(こんばんは)
× kouryuu(交流)
× Satou(佐藤)

外来語 などでは もっと おかしな つづりに なる ことも あります。

× pa-thi-(パーティー)この かきかたを する 人は,これを ただしい ローマ字だと おもって いる わけでは なくて,これでも わかるから いいと おもって いるのでしょう。けれども,ローマ字を いいかげんに かいて かまわないと かんがえて いるのだと したら 問題です。

パスポートの 名前では ou も つかえますが,つかわない よう おすすめ します。

「スポーツ選手式」
"Supôtu sensyusiki"

スポーツ選手の ユニフォームに かかれる 名前には 独特の ローマ字が あります。オ段の 長音を oh に するのが 特徴です。「スポーツ選手式」「野球選手式」などと よばれて います。まちがった かきかたですが,一般人が 名刺や 表札を つくる ときに これを まね する ことが ありますこう かけば 外国人が ただしい 発音で よめると おもって いるのかも しれませんが,それは おおまちがいです。日本語を しらない 外国人は,ローマ字の よみかたを しらないし 日本語の 発音も できないので,どんな かきかたに しても ただしい 発音では よめません。たしかに,この やりかたは「小野」と「大野」を 区別 できますが,この あとで のべて いる ように,変な よみかたを されて しまって うまく いかない ばあいが あります。

この かきかたには h の つぎに 母音字や h, y などが あると よみかたが わからなく なる 欠点が あります。大石さん・大原さん・大山さんが 名前を この かきかたに すると,変な よみかたを されるかも しれません。

× Ohishi(大石,オヒシ?)
× Ohhara(大原,オッハラ?)
× Ohyama(大山,オヒャマ?)

パスポートの 名前では oh も つかえますが,つかわない よう おすすめ します。

h後置式」も およみ ください。

「ちゃんぽん式」
"Tyanponsiki"

ローマ字の 方式には 訓令式ヘボン式が あるので,これらの つづりを ごちゃまぜに する まちがいが おこりがちです。この「ちゃんぽん式」は 昔から あり,日本式訓令式の 前身)と ヘボン式が つかわれて いた 大正時代には すでに めずらしく なかったと いわれて います。

ごちゃまぜの レベルには 2段階 あります。第1段階は 訓令式 の つづり(si, ti, tu, hu, zi)と ヘボン式 の つづり(shi, chi, tsu, fu, ji)が まざりあって いる レベルで,第2段階は 訓令式の つづり(zyo, tyo)と ヘボン式の つづり(jo, cho)が とけあって いる レベルですローマ字入力TYO, CHO, CYO の どれでも「チョ」に 変換 できる ものが おおい ようです。これが 新日本式ローマ字の cyo(チョ)を とりいれた ものか foolproof かは わかりませんが,親切設計が あだに なって まちがいに 気づきにくいのかも しれません。

× Tuji(辻)
× Funahasi(舟橋)
× Shinjyo(新庄)
× Cyosuke(長助)

「ちゃんぽん式」は 訓令式ヘボン式が 混在 して いる せいで おこる ように おもえますが,もう すこし ふかく かんがえて みると,本当の 原因は ヘボン式が もって いる 欠点だと わかります。

訓令式を 意識 して つかって いる 人が「ちゃんぽん式」の まちがいを する ことは ほとんど ありません。この まちがいは ヘボン式を このんで つかって いる 人が やって しまう ものです。ヘボン式の つづりかたに 不規則な ところが あって,まちがいが おこりやすいからです。

「ちゃんぽん式」の まちがいは,訓令式を 廃止 しても なく なりませんが,ヘボン式を 廃止 すれば なく なるでしょう。