「国語」の ローマ字

「国語」の ローマ字は 日本語

「国語」で ならう ローマ字は 日本語を ラテン文字ABC)で 書いた ものです。つまり,「国語」の ローマ字は 日本語です。

take(竹) Mike(ミケ)【日本語】
take(取る) Mike(マイク)【英語】

ローマ字の 書きかたは「ローマ字のつづり方」という ルールで きめられています。「国語」の ローマ字は 基本的に これに のっとっています。

「ローマ字表」

「ローマ字表」を 下に しめします。これは「ローマ字のつづり方」の 第1表(訓令式)と 第2表の 前半(ヘボン式)を あわせた ものです。

aiueo
キャキュキョ
kakikukekokyakyukyo
シャシュショ
sa
 
si
shi
su
 
se
 
so
 
sya
sha
syu
shu
syo
sho
チャチュチョ
ta
 
ti
chi
tu
tsu
te
 
to
 
tya
cha
tyu
chu
tyo
cho
ニャニュニョ
naninunenonyanyunyo
ヒャヒュヒョ
ha
 
hi
 
hu
fu
he
 
ho
 
hya
 
hyu
 
hyo
 
ミャミュミョ
mamimumemomyamyumyo
yayuyo
リャリュリョ
rarirureroryaryuryo
wao
ギャギュギョ
gagigugegogyagyugyo
ジャジュジョ
za
 
zi
ji
zu
 
ze
 
zo
 
zya
ja
zyu
ju
zyo
jo
ヂャヂュヂョ
da
 
zi
ji
zu
 
de
 
do
 
zya
ja
zyu
ju
zyo
jo
ビャビュビョ
babibubebobyabyubyo
ピャピュピョ
papipupepopyapyupyo

※ カタカナは 音声を しめしています。

※ 表の 形が きまっている わけでは ありません。「アイウエオ」を 縦方向に ならべて 全体を 横長に した 形も あります。撥音「ン」が 表の 中に はいっている ことも あります。

印刷用の「ローマ字表」(A4サイズ,2ページ,PDFファイル)も ありますPDFファイルの 表示と 印刷には Adobe Acrobat Readerを インストール する 必要が あります。インストールの 途中で ほかの ソフトも インストール する ように すすめられますが,これは PDFファイルと 関係 ないので いりません。

そのほかの とりきめ

  1. 撥音(ン)は n で あらわします。ただし,つぎに 母音字 または y が つづく ときは きる印(')で くぎります。
  2. 促音(ッ)は つぎの 子音字を かさねます。
  3. 長音(ー)は のばす 母音字に 山形(^)を のせます。
  4. 固有名詞の 先頭は 大文字に します。

onsen(温泉) sinbun(新聞)
hon'ya(本屋)
kitte(切手) zassi(雑誌)
itti(一致)
utyû(宇宙) kibô(希望)
takusî(タクシー)
Tôkyô(東京) Ôsaka(大阪)
Yamada Tarô(山田太郎)

学習の 目標

学習指導要領

2008(平成20)年の 小学校学習指導要領は 小学校(3,4年)での 学習の 目標を つぎの ように さだめています:

日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,また,ローマ字で書くこと次の 改訂で すこし 文言が かわりますが,意味は おなじです。

「日常使われている単語」と いっていますが,実際には 名詞しか あつかいません。動詞や 形容詞を 書こうと すると すこし むつかしい ところが ありますから,「簡単な単語」というのが 名詞の ことなのかも しれません「日常使われている簡単な単語」とは「地名や人名などの固有名詞を含めた,児童 が日常目にする簡単な単語」と 解説 されていますが,これが 何を いっているのか よく わかりません。小学生が 日ごろ よく 目に する「日本語の 単語」と 解釈 すれば,名詞 だけでは ない はずです。「ローマ字で 書かれている 単語」と 解釈 すれば,地名・駅名・企業名・表札などの 固有名詞 しか ないでしょう。「正しい ローマ字で 書かれている 単語」と 解釈 すれば,そんな ものは さがしても みつかりません。どう 解釈 しても 現実と あいません。。あつかうのが 単語 だけですから,文を 読んだり 書いたり できる ところまでは もとめていません。授業時間の 指定も なく,実際には 3年生で 4時間 程度しか 勉強 していません。

今の教科書
名刺(今の 教科書)

今の 学習内容では ローマ字文を 読むことも 書くことも しません。最終的に 名刺を つくれる 程度です。

ローマ字の 方式も 指定 していません。「ローマ字のつづり方」は 3種類の 方式を さだめていて,普通は その 中の 訓令式を もちいる ことに きめています。しかし,「国語」では 訓令式 だけで なく ヘボン式も おしえています。

この サイトの 提案

ローマ字は 国際交流の ために なくては ならない ものです。ローマ字教育を おろそかに していたら,日本は 国際社会で 尊敬 される 国に なれません。また,日本語の 表記システムは 複雑で つかいにくい ため,さまざまな 社会問題を ひきおこしています。ローマ字は 日本語の 表記システムを やさしく する アイデアの ひとつです。意識 して 日本語を ローマ字で 書く 場面を ふやし,ローマ字に なれていく 努力が 必要です。これからの 日本は 外国人の 住民が どんどん ふえていきますから,いずれ 公共空間で 漢字だらけの 日本語は つかえなく なりますそのため,日本語を すてて 英語に のりかえる 道を すすんでいるのが 現状です。2000年に 発表 された「21世紀日本の構想」は 英語を 第二公用語に する 提案を しています。これが 具体化 された わけでは ありませんが,現実の ほうが 先に すすんでいて,すでに 小学校で 英語を おしえ,大学の 講義を 英語で やる ステージに はいっています。

このように,ローマ字は ますます 重要に なってきています。しかし,今の ローマ字教育は それに まったく 対応 できていません。1958(昭和33)年の 学習指導要領では 授業時間を 40時間と していた ことから かんがえても,今の 授業時間は すくなすぎますし,学習の 目標も ひくすぎます。授業時間を もっと ふやして,より たかい 目標を めざす べきでしょう。

日本語は かな文字で 書くより ローマ字で 書く ほうが たやすいのですから,ローマ字の 学習は 小学校の 1年生から はじめると いいでしょう中国では 小学校の 1年生で ピンイン(中国語版の ローマ字)を まなびます。。そして,6年生まで 毎年 つづけます。そう すれば,ローマ字文で みじかい 日記が 書ける レベルを 目標に できるでしょう。

昔の教科書
「僕の帽子のお話」(昔の 教科書)

昔は 今より ずっと レベルの たかい ローマ字教育が おこなわれていました。これは 昔の 小学生が つかっていた ローマ字の 教科書です。この 話 だけで 12ページ ありますが,読む だけなら むつかしくは ありません。

ヘボン式

いいかげんな おしえかた

学習指導要領が さだめている 目標から かんがえると,日ごろ よく 目に する ヘボン式も 読める ように ならないと いけません。したがって,教科書は それに ついて 説明 する 必要が あります。

ところが,ヘボン式の 書きかたは 分野ごとに ばらばらです。おなじ 地名の ローマ字が 道路標識(案内標識)駅名標で ちがっている ことも あります。こんな ありさまでは 小学生に わかりやすく 説明 する ことなど できる はずも ありません。しかも,実際に つかわれている ヘボン式は どれ ひとつ とっても「ローマ字のつづり方」に のっとっていません。公式の ルールに 違反 している ものを くわしく 説明 する わけにも いかないでしょう。

そこで,教科書は 案内板 などの ローマ字を 写真や イラストで しめして,「こういう 書きかたも ありますよ。」という ふうな 説明で ごまかしている ことが あります。ずいぶん いいかげんな おしえかたですが,教科書の 会社が わるい わけでは ありません市販 されている 学習参考書でも ヘボン式の 書きかたは さまざまです。

テストに でない 問題

おしえていない ことは テストに でません。「サンマ」「キッチン」などを ヘボン式で 書く 問題は テストに でないでしょう。

samma (サンマ)
kitchin (キッチン)

この サイトの 提案

「国語」では ヘボン式を おしえない ほうが いいでしょう。ヘボン式は 日本語を 書くのに 適していません。ヘボン式を おぼえても「国語」の 勉強に 役だつ ことは ありませんし,道路標識(案内標識)の ローマ字が 読める ように なる わけでも ありません道路標識(案内標識)の ローマ字は「国語」で ならう ヘボン式では ありません。よく にているので,なんとなく 読みかたが わかる ことも ありますが,わからない ことも あります。ヘボン式の 規則には むつかしい ところも ありますから,いいかげんな おしえかたでは こどもを 混乱 させる だけです。それに,ちいさい こどもに ヘボン式を おしえる ことは 国際理解教育の 面でも このましく ありません。英語を 特別な(すぐれた)言語だと 勘ちがい させる おそれが あるからです。

先輩
センパイ……

「先輩」を ヘボン式の つもりで senpai と 書く 人が います。

これからは 小学校でも 正式に「英語」を まなぶ ように なりますが,「英語」でも ヘボン式を おしえる 必要は ありません。日本の 固有名詞は 訓令式で 書けば いいでしょう。sushi, ninja, tofu, tsunami など,日本語から 英語に なった ことばは ほかの 英単語と おなじ ように(英語として)おしえれば いいでしょう。したがって,わざわざ ヘボン式の「ローマ字表」を おぼえる 理由が ありません。

今は,さまざまな おもいちがいから,ヘボン式を つかう 人が ほとんどですが,ヘボン式を 正しく 書ける 人は あまり いません。たとえば,日本の アニメなどで よく つかわれる「先輩」を senpai と 書いて しまう 人が おおい らしく,海外の アニメファンの あいだに senpai が ひろまっています。ヘボン式が 日本人に とって あつかいにくい ことは あきらかです。そんな ヘボン式を 小学生に おしえている 現状には 無理が あります。

特殊音

書きかたが きまっていない

特殊音とは 外来語や オノマトペなどで つかわれる〈ティ〉〈ファ〉〈チェ〉などの 音声です。「ローマ字のつづり方」は これらの 書きかたを さだめていません。そのため,小学生でも しっている ような やさしい 外来語の 中にも ローマ字で 書けない(書きかたが きまっていない)ものが たくさん あります。

今の 教科書は 特殊音に ふれません。教師でも 特殊音の 書きかたを しっている 人は ほとんど いないと おもわれます。

テストに でない 問題

おしえていない ことは テストに でません。「ジェット機」「フェリー」などを ローマ字で 書く 問題は テストに でないでしょう。

zyettoki(ジェット機)
hwerî(フェリー)

この サイトの 提案

こどもの 日常会話が ローマ字で 書けない ようでは こまります。一般的な 外来語に つかわれる 特殊音の 書きかたを 公式の ルールとして さだめ,「国語」で おしえなければ なりません。

さしあたって 必要な 特殊音として,つぎの ものを あげておきます:

ローマ字入力

よく ある おもいちがい

小学校では なぜか ローマ字入力を おしえている ようです。そのため,ローマ字は ローマ字入力の ために 勉強 するのだ,と かんがえている 人が います。これは よく ある おもいちがいの ひとつで,こまった ことに 教師や 保護者にも そういう 人が います。(ローマ字教育の 本当の 目的は「ローマ字の 目的」で 説明 しています。)

さらに おおいのは ローマ字と ローマ字入力の 混同です。ローマ字と ローマ字入力は まったく ちがう ものですが,ローマ字の 書きかたと ローマ字入力の キーの おしかたは しばしば 混同 され,俗に「ワープロ式」と よばれる まちがった ローマ字が はびこる もとに なっています。

× otousan (お父さん)
× kuuki (空気)

この サイトの 提案

混同が おこる 原因は あきらかで,ローマ字と ローマ字入力を 両方 いっぺんに おしえるからです。できれば,小学校では ローマ字入力を おしえない ほうが いいでしょう。

小学校で おしえなければ ならないのは 情報機器の あつかいかたでは なく,情報の あつかいかたです。情報機器の あつかいに なれる ことも 大切ですが,ローマ字入力を おしつける 理由は ありません。日本語を 入力 する やりかたには「かな入力」が あり,ローマ字入力は 必須の スキルでは ないからです。しかも,「かな入力」の ほうが 簡単です。小学生に ローマ字入力を おしえる ことは はじめから 理屈に あっていませんでした。その上,スマートフォンなどの 発達で ローマ字入力が つかわれる ことも すくなく なってきていますじつは,ローマ字教育の 目的は 昔と 今で ちがいます。もともと ローマ字教育は 日本語を ローマ字で 書く ことが 重要だから はじまったのですが,今は ローマ字で 書かれた 表示を 読む ことや パソコンなどを つかう ことが おおいから ローマ字を まなぶ ことに なっています。それで,学習指導要領も「国語」の ローマ字を「総合的な学習」の「コンピュータで文字を入力するなどの学習」と 関連づける よう もとめています。けれども,ローマ字を しらなくても コンピューターは つかえるのですから,この 理由づけは 論理的に まちがっています。しかも,ローマ字と ローマ字入力は まったく ちがう ものです。ローマ字の 知識と ローマ字入力の スキルは あまり 関係 ない ことも わかっています。ローマ字の 知識が あれば ローマ字入力が すぐに 身に つくと かんがえるのは おおまちがいです。

小学校で ローマ字入力を おしえると しても,ローマ字と タイミングを ずらして おしえる ように すれば,すこしは ましに なる はずです。ローマ字の 学習を 1年生から はじめて,まず ローマ字の 書きかたを 十分に 定着 させておき,それから 高学年で ローマ字入力を おしえる ように すれば,混同 するのを ふせげるかも しれません。

「英語」の ローマ字

「英語」の ローマ字は 英語

「英語」で ならう ローマ字は 本物の ローマ字では ありません。本物の ローマ字は 日本語を 書く ものですが,「英語」の ローマ字は 日本語から 英語に なった ことばを 書く ものです。「英語」の ローマ字が 書いているのは 日本語では なく 英語です。つまり,「英語」の ローマ字は 英語です。

jūdō(柔道) Tōkyō(東京)【日本語】
judo(柔道) Tokyo(東京)【英語】

この サイトでは「英語」の ローマ字を「英語式」と よびます。

「ローマ字表」

「ローマ字表」を 下に しめします。これは「ローマ字のつづり方」の 第2表の 前半(ヘボン式)で さだめられている 書きかたです。

aiueo
キャキュキョ
kakikukekokyakyukyo
シャシュショ
sashisusesoshashusho
チャチュチョ
tachitsutetochachucho
ニャニュニョ
naninunenonyanyunyo
ヒャヒュヒョ
hahifuhehohyahyuhyo
ミャミュミョ
mamimumemomyamyumyo
yayuyo
リャリュリョ
rarirureroryaryuryo
wao
ギャギュギョ
gagigugegogyagyugyo
ジャジュジョ
zajizuzezojajujo
ヂャヂュヂョ
dajizudedojajujo
ビャビュビョ
babibubebobyabyubyo
ピャピュピョ
papipupepopyapyupyo

※ カタカナは 音声を しめしています。

※ 表の 形が きまっている わけでは ありません。「アイウエオ」を 縦方向に ならべて 全体を 横長に した 形も あります。撥音「ン」が 表の 中に はいっている ことも あります。

印刷用の「ローマ字表」(A4サイズ,2ページ,PDFファイル)も ありますPDFファイルの 表示と 印刷には Adobe Acrobat Readerを インストール する 必要が あります。インストールの 途中で ほかの ソフトも インストール する ように すすめられますが,これは PDFファイルと 関係 ないので いりません。

そのほかの とりきめ

  1. 撥音(ン)は n で あらわします。ただし,つぎに b, m, p が つづく ときは m に します。つぎに 母音字 または y が つづく ときは ハイフン(-)か アポストロフィ(')で くぎりますが,普通は この 記号を はぶいて しまいます。
  2. 促音(ッ)は つぎの 子音字を かさねます。ただし,ch の 前では t を 書きます。
  3. 長音(ー)は 書きあらわしません。ただし,イ段の 長音は ii で あらわします。
  4. 固有名詞の 先頭は 大文字に します。

onsen(温泉) shimbun(新聞)
hon-ya(本屋)
kitte(切手) zasshi(雑誌)
itchi(一致)
uchu(宇宙) kibo(希望)
takusii(タクシー)
Tokyo(東京) Osaka(大阪)
Yamada Taro(山田太郎)

書きかた だけで いえば,「英語」の ローマ字は ヘボン式から 記号などを とりのぞいた ものです。ヘボン式には きちんと した 定義が ありませんから,「英語」の ローマ字にも きちんと した 定義が なく,教科書にも くわしい 説明は 書いて ありません。したがって,学校で こららの 規則を どこまで おしえているかも よく わかりません。教科書に 日本人の 名前が Ando, Ito(安藤,伊藤)などと 書かれていたり する ことから かんがえて,オ段の 長音を 書く 規則は おしえていると おもわれますが,その ほかの 規則は ほとんど おしえていない うたがいが あります。英語教師 自身が よく わかっていない 可能性も あります一般に,英語教師は ローマ字に くわしく ありません。日本の 英語教師は ローマ字読みに なやまされる ことが おおい せいで,ローマ字教育を きらっている ことが あり,それで ローマ字を 勉強 しないのかも しれません。

ヘボン式? 英語表記?

ヘボン式?

「英語」の 教科書は この 書きかたを ヘボン式と よんでいます。たしかに,これは ひろい 意味での ヘボン式の 一種です。しかし,ヘボンが つくった もともとの ヘボン式とは ちがいます。そこで,この サイトは これを ヘボン式と よんでいません。

理由は もう ひとつ あります。この サイトは 日本語の ラテン文字表記が ローマ字で,その 中に 訓令式ヘボン式と いった いろいろな 方式が あると かんがえています。この 立場では,日本語の ラテン文字表記で ない ものは ローマ字では なく,したがって ヘボン式でも ありません。

英語表記?

この 書きかたは「英語表記」と よばれる ことも あります。正しい ローマ字では ないという 意味で 別の 名前を つけるのは いいでしょう。しかし,「英語表記」は そのように 書けば 英語に なると 勘ちがい しそうな 名前です。もしかしたら,勘ちがい している 人が そう よんでいるのかも しれません。

「英語表記」は 英語の 書きかたです。日本語の ことばが 英語に なった ときに それを 書く 方法です。日本語を「英語表記」に すれば 英語に なるという ものでは ありません。「柔道」は 英語に なったから judo と 書かれるので あって,その 逆では ない ことに 気を つけて ください。

つまり,「太郎」を Taro と 書いても 英語には なりません。これは 日本語を まちがった つづりで 書いている だけです。英語に なっていない ことばを「英語表記」に しても,それは 英語の 形を まねた だけの「えせ英語」「いんちき英語」です。「英語」の テストでは「太郎」を Taro と 書かないと 点が もらえませんが,実際の 生活では この 書きかたに しない よう,つよく おすすめ します学校の「英語」では「太郎」を Taro と 書かせています。ここに 日本の 外国語教育の 問題が よく あらわれています。英語教育は 明治時代から おこなわれていますが,もともと それは「商業」の 一部だったと かんがえられます。「商業」の 中に 国際ビジネスの ための 語学が あり,それが 独立した 教科に なっていると いえば わかりやすいでしょう。そのため,世界一の 経済大国を まねる こと,アメリカ式に あわせる ことが 一番の 目的に なっています。「太郎」を Taro と 書くのも,理屈では なく,英語の 形に あわせている だけです。いくら 語学だからと いっても,あまりにも 知性を かろんじた 教育には 問題が あります。もし「英語」が 国際理解教育の ための 教科だったら,「太郎」を Taro と 書かせる はずが ありません。

長音符号を 省略 する?」も お読み ください。

「英語式」

この サイトは「英語」の ローマ字を「英語式」と よびます。学校の「英語」で 採用 している 方式という 意味です。本物の ヘボン式と 区別 する ために この 名前を つかいます。

ヘボン式と「英語式」を くらべると 下の ように なります。

ことばヘボン式「英語式」
豆腐tōfutofu
柔道jūdōjudo
大野ŌnoOno
優香YūkaYuka
健一Ken-ichiKenichi

書きかただけを みれば,ヘボン式の 記号などを はぶいた ものが「英語式」で,みた目の ちがいは ごく わずかです。しかし,性質の ちがいは 決定的です。ヘボン式は もとの(日本語の)ことばの 音声を 復元 できますが,「英語式」は それが できません。

「英語式」は 必要か

「英語式」を おしえる 理由

「英語式」を おしえている 理由は ふたつ あると かんがえられます。ひとつは 日本の 固有名詞を「英語式」で 書く ためです。もう ひとつは,judo の ように,日本語から 英語に なった ことばの つづりを おぼえやすく するためです。

この サイトの 提案

この サイトは「英語式」を おしえなくて いいと かんがえています。まず,日本の 固有名詞は 日本語らしく 書く べきだからです。そして,日本語から 英語に なった ことばの つづりは,「英語式」を しらなくても,たやすく おぼえられるからですこまかい ことを いえば,「英語式」を しっていても それ だけでは あまり 役に たちません。なぜなら,日本語から 英語に なった ことばも,ほかの 英単語と おなじ ように,その 意味・発音・つづりを セットに して 丸暗記 するしか ない 部分が あるからです。このような ことばは,意味が もとの 日本語と すこし ちがう 場合が あり,発音も もとの 日本語とは かなり ちがいます。わずかながら,「英語式」の つづりに ならない ものも あります。つづりが「英語式」に ならない 例:moxa(もぐさ),noh(能),tycoon(実力者,大物<日本語の「大君」),Yen(お金の「円」)。「英語式」の 知識は 日本の 固有名詞を 書く ほかには あまり 役に たっていないと おもわれます。

「英語」の 教科書は 日本の 人名や 地名を 訓令式で 書く べきです英語の 話し手が 書く 英文の 中では「英語式」に しても いいでしょう。そして,その ちがいに ついて かんがえさせる ように すれば,よい 教材に なります。。昔の 教科書は 日本人の 名前を「名-姓」の 順で 書いていましたが,今は かんがえを あらためて「姓-名」の 順で 書いています。つぎは「英語式」を やめる 番です。

外国人は 日本人が つかう つづりを まね します。非英語圏でも「英語式」が つかわれている 事実から わかる ように,外国人が「英語式」を つかっているのは 日本人が「英語式」を つかっているからです日本政府が 外国に たいして 訓令式を 尊重 する ように はたらきかけていない ことも 理由の ひとつです。日本政府が 世界に 発信 する 公式の 文章で「英語式」を つかっているのが 現状です。。日本人が 日本語流の つづりを つかえば,「英語式」は だんだん つかわれなく なっていくでしょう。固有名詞の 場合,外国人は 日本人が つかっている つづりを そのまま つかう ほか ありません。それ以外の ことばも,日本の 文化に かかわる ものは 日本語流の つづりに 本物らしさが あるため,外国人も それを つかう ように なります。すでに 定着 している ことばでも つづりが かわる 可能性は あります。たとえば,日本人が「すし」を susi と 書けば,外国人が それを まね する ように なるかも しれませんトヨタ自動車の「かんばん方式」は たいへん すぐれた 生産技術で,海外でも よく しられています。この 意味の「かんばん」が そのまま 英語に なっている ほどです。ところが,その 英語の つづりは kamban では なく kanban です。どういう わけか わかりませんが,日本人が kanban と 書いていたからでしょう。このように,日本語が 外国語に なる とき,日本で つかわれている つづりが あれば,それが 正しい ものと みなされて,外国でも その つづりが つかわれます。

昔,英語圏の 新聞は「北京」を Peking と 書いていましたが,今は Beijing と 書いています。中国政府が 外国に たいして Beijing に する よう はたらきかけたからです。国際化の かんがえから いっても,それが あたりまえでしょう。日本も おなじ ように すれば いいでは ありませんか。中国に できた ことが 日本には できないのでしょうか。

ローマ字読みに ついて

ローマ字読みの 原因

ローマ字読みは 外国語を ならいはじめると だれでも やって しまう,もっとも 平凡な まちがいです。英語 以外の 外国語を まなぶ ときも ローマ字読みが おこります。外国人が 日本語を まなぶ ときも,外国人が 外国語(母語と おなじ 文字で 書く 言語)を まなぶ ときも,ローマ字読みに あたる 現象が おこります。

その 理由は 簡単で,文字の 読みかたが 言語に よって ちがうからです。表音文字は 発音記号では なく,その 読みかたが 世界共通に なっていません。ラテン文字の つづりも 言語に よって 読みかたが ちがいます。たとえば,jo は 英語なら〈ジョー〉と 読みますが,ドイツ語なら〈ヨー〉,スペイン語なら〈ホー〉です。do は 英語なら〈ドゥー〉ですが,日本語なら〈ド〉です。外国語に なれない 初心者が ローマ字読みを しがちなのは 外国語を 母語の ルールで 読んで しまうからです。

ローマ字読みの 責任

ときどき,こどもが 英語を ローマ字読み するのは 小学校で ローマ字を おしえるからだと いわれますが,ローマ字読みの 責任は 英語教育に あります。語学の 初心者に ローマ字読みが おこりやすい ことは 言語教育に たずさわる 者に とって 基礎知識で あり,英語教師も それに 気を くばらなければ ならない ことを よく こころえている はずです。ところが,ローマ字読みが なかなか なおらない こどもや,ローマ字読みが ありふれた 現象で ある ことを しらない おとなが いるのは どういう わけでしょうか。おそらく,学校の「英語」で それを きちんと おしえていないからでしょう。英語教育の カリキュラムか 英語教師の スキルに 問題が あると かんがえられます。

小学校の ローマ字教育が 英語教育の じゃまに なっているという 主張は 英語の 教室や 教材といった ビジネスの 周辺で かたられる ことも おおく,どうやら 業者が 保護者を 宣伝に ひきつける 話題に している 場合も ある ようです。これを まに うけて しまう 保護者も いるのでしょう。しかし,ローマ字教育を うらむのは おかどちがいです。上で のべた ように,ローマ字読みの 責任は ローマ字教育では なく 英語教育に あります。