「国語」の ローマ字

「国語」の ローマ字は 日本語

「国語」で ならう ローマ字は 日本語です。ラテン文字ABC...)で 書いた 日本語です。

その 正しい 書きかたは「ローマ字のつづり方」という ルールで きめられています。学校は 正しい 書きかたを おしえなければ なりませんから,「国語」の ローマ字は 基本的に この ルールに のっとっています。

おきかえ表(ローマ字表)

おきかえ表(ローマ字表)を 下に しめします。これは「ローマ字のつづり方」の 第1表(訓令式)と 第2表の 前半(ヘボン式)を あわせた ものです。

aiueo
キャキュキョ
kakikukekokyakyukyo
シャシュショ
sa
 
si
shi
su
 
se
 
so
 
sya
sha
syu
shu
syo
sho
チャチュチョ
ta
 
ti
chi
tu
tsu
te
 
to
 
tya
cha
tyu
chu
tyo
cho
ニャニュニョ
naninunenonyanyunyo
ヒャヒュヒョ
ha
 
hi
 
hu
fu
he
 
ho
 
hya
 
hyu
 
hyo
 
ミャミュミョ
mamimumemomyamyumyo
yayuyo
リャリュリョ
rarirureroryaryuryo
wao
ギャギュギョ
gagigugegogyagyugyo
ジャジュジョ
za
 
zi
ji
zu
 
ze
 
zo
 
zya
ja
zyu
ju
zyo
jo
ヂャヂュヂョ
da
 
zi
ji
zu
 
de
 
do
 
zya
ja
zyu
ju
zyo
jo
ビャビュビョ
babibubebobyabyubyo
ピャピュピョ
papipupepopyapyupyo

※ カタカナは 音声を しめしています。

※ 表の 形が きまっている わけでは ありません。「アイウエオ」を 縦方向に ならべて 全体を 横長に した 形も あります。撥音「ン」が 表の 中に はいっている ことも あります。

こどもむけの おきかえ表(ローマ字表)を 提供 しています(PDFファイル)。印刷 して おつかい くださいPDFファイルの 表示と 印刷には Adobe Acrobat Readerを インストール する 必要が あります。インストールの 途中で ほかの ソフトも インストール する ように すすめられますが,それは PDFファイルと 関係ないので いりません。

そのほかの とりきめ

  1. 撥音(ン)は n で あらわします。つぎに 母音字 または y が つづく ときは 切る印(')で くぎります。
  2. 促音(ッ)は つぎの 子音字を かさねて 書きます。
  3. 長音(ー)は のばす 母音字に 山形(^)を のせます。
  4. 固有名詞の 先頭は 大文字に します。

onsen(温泉)sinbun(新聞)hon'ya(本屋)
Nippon(日本)kitte(切手)itti(一致)
Tôkyô(東京)Ôsaka(大阪)

学習の 目標

学習指導要領

2008(平成20)年の「小学校学習指導要領(国語編)」は 小学校(3,4年)での 学習の 目標を つぎの ように さだめています:

日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,また,ローマ字で書くこと。

「単語」と いっていますが,実際には 名詞しか あつかいません。動詞や 形容詞を 書こうと すると すこし むつかしい ところが ありますから,「簡単な単語」というのが 名詞の ことなのかも しれません。あつかうのが 単語 だけですから,文を 読んだり 書いたり できる ところまでは もとめていません。授業時間の 指定も ありません。

教科書の 名刺
今の 教科書

今の 学習内容では 文を 読むことも 書くことも しません。最終的に 名刺を つくれる 程度です。

ローマ字の 方式も 指定 していません。「ローマ字のつづり方」は 訓令式ヘボン式日本式という 3種類の 方式を 定義 していますが,実際に「国語」で おしえるのは 訓令式ヘボン式だけです。日本式は おしえません。

この サイトの 提案

ローマ字は 国際理解教育の 基礎です。国際交流で ローマ字の はたす 役割は おおきく,ローマ字教育を おろそかに していたら,日本は 国際社会で 尊敬 される 国に なれない ばかりか,一人前の 国として みとめて もらえません。

1958(昭和33)年の 学習指導要領で 授業時間を 年間 40時間 以上と していた ことから かんがえると,今の 授業時間は すくなすぎますし,学習の 目標も ひくすぎます。もっと 授業時間を ふやし,6年生で みじかい 日記を 書く ことが できる レベルを 目標に しても いいでしょう。

日本語は かな文字で 書く より ローマ字で 書く ほうが たやすく 書けますから,ローマ字の 学習は 1年生から はじめても いいでしょう中国では 1年生で ピンイン(中国語版の ローマ字)を まなびますが,ローマ字は ピンインより 簡単です。。そして,6年生まで 毎年 つづけます。そう すれば,この 目標も たかすぎる ことは ない はずです。

ローマ字の 教科書
昔の 教科書

昔の 小学生が つかっていた ローマ字の 教科書です。この 話だけで 12ページ ありますが,読むだけなら むつかしくは ありません。

ヘボン式

いいかげんな おしえかた

学習指導要領が さだめている 学習の 目標から かんがえると,教科書は 実際に つかわれている ヘボン式も(読める 程度には)説明 する 必要が ある はずです。しかし,ヘボン式の 書きかたは 統一 されておらず 分野ごとに ばらばらなので,くわしく 説明 する ことは できません。説明 しても,小学生には むつかしすぎると おもわれます。それに,実際に つかわれている ヘボン式は「ローマ字のつづり方」に のっとっていません。公式の ルールに 違反 している ものを くわしく 説明 する わけにも いかないでしょう。

そこで,教科書は 駅名標や 看板の ローマ字を 写真や イラストで しめして,「こういう 書きかたも ありますよ。」という ふうな 説明で ごまかしている ことが あります。ずいぶん いいかげんな おしえかたですが,教科書の 会社が わるい わけでは ありません。

テストに でない 問題

おしえていない ことは テストに でません。「サンマ」「キッチン」などを ヘボン式で 書く 問題は「国語」の テストに でないでしょう。

samma (サンマ)
kitchin (キッチン)

この サイトの 提案

「国語」では ヘボン式を おしえない ほうが いいでしょう。ヘボン式は 日本語を 書くのに 適していない 方式で,「国語」の 勉強に 役だつ ことも 何ひとつ ありません。それに,今の ような いいかげんな おしえかたでは こどもを 混乱 させる だけです。くわしく おしえても,小学生には むつかしすぎます。また,こどもに ヘボン式を おしえる ことは 国際理解教育の 面でも このましく ありません。英語を 特別な(すぐれた)言語だと 勘ちがい させる おそれが あるからです。

先輩
センパイ……

「先輩」を ヘボン式の つもりで senpai と 書く 人が います。

小学校の 段階では「英語」でも ヘボン式を おしえない ように します。日本の 固有名詞は 訓令式で 書けば いいでしょう。むしろ その ほうが 国際的です。sushi, ninja, tofu, tsunami などの 普通名詞は 英単語として おぼえます。これらの つづりが どんな 規則で できているかを 小学生が しる 必要は ありません。

ヘボン式を 正しく 書ける 人は おとなでも すくない ようです。今は ヘボン式を つかう 人が ほとんどですが,日本の アニメなどで よく つかわれる「先輩」を senpai と 書いて しまう 人が おおい らしく,海外の アニメファンの あいだに senpai が ひろまっています。おとなでも まちがえる 人が いるのは ルールが わかりにくい 証拠で,それを 小学生に おしえようと している 現状に 無理が あります。

特殊音

書きかたが きまっていない

特殊音とは 外来語や オノマトペなどで つかわれる〈ティ〉〈ファ〉〈チェ〉などの 音声です。「ローマ字のつづり方」は これらの 書きかたを さだめていません。そのため,小学生でも しっている ような やさしい 外来語の 中にも ローマ字で 書けない(書きかたが きまっていない)ものが たくさん あります。

今の 教科書は 特殊音に ふれません。教師でも 特殊音の 書きかたを しっている 人は ほとんど いないと おもわれます。

テストに でない 問題

おしえていない ことは テストに でません。ローマ字の テストに「ジェット機」「フェリー」などが でる ことは ないでしょう。

zyettoki(ジェット機)
hwerî(フェリー)

この サイトの 提案

こどもの 日常会話が ローマ字で 書けない ようでは こまります。一般的な 外来語に つかわれる 特殊音の 書きかたを 公式の ルールとして さだめ,「国語」で おしえなければ なりません。

さしあたって 必要な 特殊音として,つぎの ものを あげておきます:

ローマ字入力

よく ある おもいちがい

小学校では なぜか「ローマ字入力」を おしえている ようです。そのため,ローマ字は 「ローマ字入力」の ために 勉強 するのだ,と かんがえている 人が います。これは よく ある おもいちがいの ひとつで,教師や 保護者にも そういう 人が すくなく ありません。

さらに おおいのは ローマ字と「ローマ字入力」の 混同です。ローマ字と「ローマ字入力」は まったく ちがう ものですが,ローマ字の 書きかたと「ローマ字入力」の キーの おしかたは しばしば 混同 され,俗に「ワープロ式」と よばれる まちがった ローマ字が はびこる もとに なっています。

× otousan (お父さん)
× kuuki (空気)

この サイトの 提案

混同が おこる 原因は あきらかで,ローマ字と「ローマ字入力」を 両方 いっぺんに おしえるからですおとなの 場合は,昔 ならった ローマ字を わすれてしまった 人が「ローマ字入力」を おぼえたからです。。したがって,すくなくとも「国語」では「ローマ字入力」を おしえない ように するのが いいでしょう。パソコンの 基本操作と「国語」は まったく 関係 ありません「算数」で「電卓の つかいかた」を おしえる ことには それなりの 意味が あるでしょう。電卓で 計算 する ことは「算数」の 勉強と つながっているからです。しかし,「国語」で「ローマ字入力」を おしえるのは「理科」で「電話の かけかた」を おしえる ような もので,その 教科の 勉強と 直接の つながりが ありません。ローマ字の 知識が あれば「ローマ字入力」が すぐに 身に つくと かんがえるのも まちがいです。ローマ字の 知識だけでは たりない 部分が たくさん あります。ローマ字の 知識と「ローマ字入力」の スキルとの あいだには 一般に かんがえられている ほどの かかわりは ない ことが わかっています。両者が まったく ちがう ものだという 事実を 一般の 人が しらないために 勘ちがいが ひろまっていて,それが「国語」 の 教育を ゆがめているのでしょう。

そもそも,日本語を 入力 する やりかたには「かな入力」が あり,「ローマ字入力」は 必須の スキルでは ありません。しかも,「かな入力」の ほうが 簡単です。小学生に「ローマ字入力」を おしえる ことは はじめから 理屈に あっていませんでした。その上,スマートフォンなどが 発達 してきた ことで,「ローマ字入力」が つかわれる ことも すくなく なっています。小学校では「ローマ字入力」を おしえない ことに しても いいでしょう。

学校で「ローマ字入力」を おしえると しても,ローマ字と いっしょに おしえるのを やめれば すこしは ましに なる はずです。ローマ字の 学習を 1年生から はじめて,まず ローマ字の 書きかたを 十分に 定着 させておき,それから 3年生くらいで「ローマ字入力」を おしえる ように すれば,混同 するのを ふせげるかも しれません。

「英語」の ローマ字

「英語」の ローマ字は 英語

学校の「英語」でも ローマ字を ならいますが,これは 正しい ローマ字では なく,日本語を 英語化 する 書きかたです。たとえば,jūdō は ローマ字表記の 日本語ですが,judo は 日本語では なく,完全に 英語ですjudo は 日本人が みても 読めません。もし これが 日本語なら,日本人は 日本語を みても まともに 読めない ときが ある,という おかしな 話に なります。ですから,judo は 日本語では ありません。。つまり,「英語」の ローマ字は 英語です。

jūdō(柔道)【日本語】
judo(柔道)【英語】

この 書きかたは ヘボン式ローマ字の 長音符号を 省略 して つくります。くわしくは「長音符号を 省略 する?」で 説明 しています。