ラテン文字

ラテン文字とは

アルファベット・英字・ローマ字

「ラテン文字」とは ABC の ことです。ローマ帝国で ラテン語を 書くのに つかわれていた 文字です。ローマ帝国は ほろびて しまい,ラテン語も 死語に なりましたが,ラテン文字は ほかの 言語に とりいれられて いきのこりました。日本では ABCを アルファベット または 英字と よぶ ことも ありますが,正しくは ラテン文字と いいます。

「アルファベット」は 言語学者が いろいろな 文字を 分類 して,ある グループに つけた 名前です。この 中に いろいろな 種類の 文字が あります。ラテン文字も その ひとつです。ギリシャ文字も キリル文字も アラビア文字も アルファベットの 一種ですより ひろい 意味の アルファベットは かな文字や ハングルなども ふくみます。もっとも せまい 意味の アルファベットが ラテン文字と かんがえれば いいでしょう。

「英字」は 英語を 書く 文字の 意味だと おもわれますが,ABCは 英語 だけを 書く 文字では ありませんから,これは まずい 名前です。つかわない ほうが いいでしょう。

「ローマ字」が ラテン文字を 意味 する ことも あります。しかし,この ローマ字を つかって 日本語を 書く 方法や その 方法で 書かれた 日本語の ことを ローマ字と いう ことも あります。これでは ややこしくて まちがいが おこります。そこで,この サイトは 文字の ローマ字は ローマ字と よばないで,ラテン文字と よぶ ことに しています。

ラテン文字

ラテン文字は 26文字の セット(集合)ですこまかい ことを いうと,「文字」という ことばは,(1)「漢」「あ」「A」などの 単独の 文字,(2) 単独の 文字を いくつか ならべた もの,そして (3) おなじ 種類の 文字を すべて まとめた 集合という 3種類の 意味で つかわれています。これらを 区別 したい ときは,(1)を「文字要素」 または 単に「文字」,(2)を「文字列」,(3)を「文字集合」に すると いいでしょう。。大文字(おおもじ)と 小文字(こもじ)が あります。

大文字:
ABCDEFGHIJKLMN​OPQRSTUVWXYZ
小文字:
abcdefghijklmn​opqrstuvwxyz


BørneLund

おもちゃで 有名な BørneLund(ボーネルンド)は 日本の 企業ですが,その 名前は デンマーク語の børne(こども)と lund(森)から できています。øo では なく,デンマーク語が つけくわえている 文字です。

世界の おおくの 言語は ラテン文字を つかって 書きますが,かならず すべての 文字を つかう わけでは なく,言語に よっては つかわない 文字も あります。日本語を 訓令式ローマ字で 書く ときは ふつう 19文字 しか つかいません。反対に,おまけの 文字を つけくわえる 言語も あります。たとえば,ドイツ語は ß という 文字を つけくわえています。

また,文字は このままの 形で つかう だけで なく,文字の 上や 下に 特殊な 印を つける ことも あります。


ドイツ語


ベトナム語

ラテン文字と 言語

ラテン文字で 書く 言語

ラテン文字は いろいろな 言語を 書くのに つかわれています。その 代表は 英語ですが,ほかにも たくさん あります。スペイン語,ポルトガル語,フランス語,イタリア語,ドイツ語,オランダ語,デンマーク語,スウェーデン語,ノルウェー語,アイスランド語,ポーランド語,チェコ語,スロバキア語,スロベニア語,クロアチア語,ラトビア語,リトアニア語,アイルランド語,バスク語,マジャール語,スオミ語,エストニア語,アルバニア語,ルーマニア語,インドネシア語,ベトナム語,トルコ語,タガログ語,マレー語,スワヒリ語などが ラテン文字を つかっていますこのように,ラテン文字で 書く 言語は たくさん ありますが,ラテン文字で 書かれた 新聞や 本を みた 瞬間に 英語だと おもって しまう こどもは すくなく ありません。ローマ字を 英語と 日本語の 中間的な ものと 勘ちがい している おとなも います。これは 日本人の 国際感覚が まずしいからです。英語 以外の 外国語に ふれる 機会が すくない ことや,学校の 外国語教育が 国際理解教育に なっておらず 英語に かたよりすぎている ことなどが 原因と かんがえられます。


ラテン文字の 世界分布

図は ラテン文字を つかって 書く 言語の ひろがりを しめしています。くらい 緑色の 地域は ラテン文字 だけを つかっています。あかるい 緑色の 地域は ラテン文字と ほかの 文字を つかっています。灰色の 地域では アラビア文字,キリル文字,漢字などを つかっています。

ラテン文字は 世界共通の 文字

ラテン文字は 世界中で つかわれる ように なったので,いまでは 世界共通の 文字と みなされています。数値を 書きあらわす アラビア数字(算用数字)と おなじ ように,はじめは どこかの 地域に うまれて 発達 した システムで ありながら,だんだん ひろまっていき,やがて 世界中で つかわれる ように なりましたアラビア数字は アラビア文字が つかわれている 地域では すこし ちがう 形を していますが,これが もともとの 形です。日本で つかわれている 形は ラテン文字と まぜて つかいやすい ように 変形 された ものです。

ラテン文字の ほかに 便利な 文字が なかった わけでは ありません。また,世界の 言語を 書きあらわす 役割を かんがえると,ラテン文字には 機能の 面で たりない ところが あります。それにも かかわらず,ラテン文字が 世界中で つかわれる ように なったのは 有力な 国が ラテン文字を つかっていたからです。ラテン文字を つかっていた ポルトガル,スペイン,オランダ,フランス,イギリスなどが,はじめは 貴金属や 香辛料を もとめて,あるいは 宗教を ひろめようと して,のちには 領土 そのものを 目的に して,海外に 進出 していった 時代が ありました。それで,ラテン文字が 世界に ひろまった わけです。

何かが あたらしい 土地に ひろまっていこうと する とき,それが「発祥の 地」の 文化を ひきずっていて,あたらしい 土地に もともと ある ものと ぶつかって しまうと,なかなか ひろまりません。しかし,ラテン文字は そうで なかったので,どんどん 世界に ひろまっていきましたたとえば,インドうまれの アラビア数字は インドの 文化と 特別には むすびついていません。メートル法は 人工的に つくられた もので,建前としては 特定の 文化と むすびついていません。こういう ものは どこでも うけいれやすく,世界の 標準に なれます。反対に,特定の 文化と むすびついている ものは 反発 されて うけいれられない ことが あり,世界の 標準に なれません。たとえば,英語は 世界中で つかわれていますが,英語圏の 文化 そのものですから,世界共通の 言語に なれません。西暦(グレゴリオ暦)は おおくの 先進国で つかわれていますが,特定の 宗教と つよく むすびついている ため,世界共通の 暦に なれません。

ラテン文字の 名前

ラテン文字は 表音文字です。これは 音声を あらわす 文字ですから,音声と 文字が 対応 しています。おなじ 音声は おなじ 文字で 書き,おなじ 文字は おなじ 音声で 読むという おおよその きまりが あります。ただし,この きまりは 世界共通で なく,言語に よって ことなります。

このため,文字の よびかた(名前)も 言語に よって ちがいます。たとえば,A, B, C は,英語では〈エー,ビー,スィー〉と いいますが,ドイツ語では〈アー,ベー,ツェー〉,フランス語では〈ア,ベ,セ〉,イタリア語では〈ア,ビ,チ〉,と いった 具合に ばらばらです。

日本語では どう なるかというと,つぎの ように なります。3種類を しめします。

ABCDEFG
アーベーセーデーエーエフゲー
アーベーセーデーエーフーゲー
HIJKLMN
ハーイーヨーカーエルエムエン
ハーイーヨーカールーマーナー
OPQRSTU
オーペークーラーエステーウー
オーペークーラーサーターウー
VWXYZ
ブイワーエッキスヤーゼット
ボーワーキーヤーゼー

ひとつめは 昔の 文部省が かんがえていた 案,ふたつめは ローマ字論者 田丸卓郎による もの,みっつめは この サイトの 提案ですきめかたは つぎの とおり: (1) すべて 長音に する; (2) 母音は そのままの 音を つかう (A, I, U, E, O); (3) 清音は ア段の 音を とる (K, S, T, N, H, M, Y, R, W); (4) 濁音と 半濁音は エ段の 音を とる (G, Z, D, B, P); (5) 通常,訓令式で つかわない 文字は そのほかの 名前に する (C, F, J, L, Q, V, X); (6) できるだけ 英語式の 名前と かさならない ように する(母音は かさなっても しかたが ない)。。ほかにも いろいろな かんがえが ありますが,いまの ところ,公式の ものは ありません。

実際には,ローマ字を まなぶ ときも 英語式の〈エー,ビー,スィー〉が つかわれているので,上に しめした 名前を おぼえる 必要は ありません。けれども,本当は〈エー,ビー,スィー〉では ない ことを おぼえておいて ください。ローマ字は 日本語で あって 英語では ないからです。フランス語や ドイツ語を ならう ときに A, B, C を〈エー,ビー,スィー〉とは いいません。ローマ字を ならう ときに A, B, C を〈エー,ビー,スィー〉と いうのは,本当は おかしい わけです。ローマ字を 英語教育の 入門だと 勘ちがい している 人が おおいのは この〈エー,ビー,スィー〉にも 原因が ありそうです。

文字の 名前を つかわないで ローマ字を おしえる ことも できます。訓令式ローマ字なら そんなに むつかしい ことでは ありません。まず,A, I, U, E, O を〈ア,イ,ウ,エ,オ〉と おしえ,つぎに K を「カキクケコの 印」,S を「サシスセソの 印」,T を「タチツテトの 印」という ふうに 説明 できるからです。

そうは いっても やはり 文字の 名前が ないと 不便ですから,英語式の 名前を つかっている わけです。本当は 日本語式の 名前を つくらないと いけないのですが,そんな 明治時代からの 宿題が まだ できていません英語式の 名前と 日本語式の 名前を ふたつも おぼえるのは むだに おもえるかも しれませんが,英語を 特別あつかい する おしえかたは 教育的と いえません。英語式の 名前は 日本語の 発音と うまく 対応 しない 問題も あります。母音は 日本語の 発音と まったく ちがいますし,子音も G(ジー),H(エイチ),W(ダブリュー)などは 日本語の 発音から かけはなれています。小学生が「電車」「金魚」を dansya, kengyo と 書いて しまう ことが 実際に あるのですが,これは a, e を〈エー〉〈イー〉と 読んでいるからです。ローマ字を まなびやすく する ためにも 日本語式の 名前を つくる べきです。


D を〈デー〉または〈ダー〉,T を〈テー〉と いう ことも あります。昔の 日本語には〈ディ〉〈ティ〉という 発音が なかったので,上の 文部省の 案などでも そうですが,〈デー〉〈テー〉と いっていました。それが いまでも のこっているのだと おもわれます。〈ダー〉は ききまちがいを ふせぐために 一部の 業界で つかわれています。誤解が なければ,これらを つかっても かまいません。

ラテン文字で ことばを 書く

表音文字の 利点


ヒエログリフ

ヒエログリフ(聖刻文字,神聖文字)は もともと 表語文字ですが,表音文字としても つかわれました。文字の 種類は 6000くらい あります。つかわれなく なった あと,読める 人も いなく なって しまいましたが,19世紀に 解読 されました。

ラテン文字は 表音文字(音を あらわす 文字)です。ラテン文字で ことばを 書く ときは,ことばの 音声を ばらばらに 分解 して,それぞれの 音声に 対応 した 文字(つづり)を ならべて 書きます。かんがえてみれば,ずいぶん まわりくどい やりかたを しています。文字は ことばを 記録 する ために あるのですから,ひとつの ことばを 書く ときに 表語文字(ことばを あらわす 文字)を ひとつ 書いても いい はずです。象形文字は この やりかたで,こっちの ほうが わかりやすいと おもう 人も いるでしょう。なぜ ひとつの ことばを 書くのに 表音文字を いくつも ならべて 書くのでしょうか。

それは 表語文字で 書く やりかたに おおきな 欠点が あるからです。まず,絵で 表現 しにくい ことばは 文字が つくりにくい ことです。それから,ことばの 数 だけ 文字を つくると,種類が おおすぎて おぼえるのも つかいこなすのも むつかしい ことです。そのため,世界中に たくさん あった 表語文字は だんだん すたれていき,いまも いきのこっている 表語文字は 漢字 だけに なって しまいました。表語文字を つかって 書く 言語も いまは 中国語と 日本語 しか ありません文字が むつかしいと,文字の 習得(学校教育)や 運用(社会生活)に コストが かかります。文字を やさしく すれば,みんなが 文字を まなびやすく つかいやすく なり,特権階級が 知識と 情報を ひとりじめ するのを さける ことが できます。やさしい 文字は 民主的な 社会の 必要条件です。残念ながら,いまの 日本は この 条件を みたしていません。表語文字の 欠点は ほかにも あります。たとえば,語尾変化が ある 言語で ことばを 書きあらわすのが むつかしい ことです。中国で 漢字が いきのこった 理由の ひとつは 中国語に 語尾変化が ない ことです。

表音文字には そんな 欠点が ありません。表音文字は 文字の 数が すくないので おぼえるのも つかうのも かんたんです。こどもでも 読み書き できます。表音文字を つかえば,あたらしい ことばが できても すぐに 書けます。外国の 名前や さまざまな 音も 書けます。ことばに 順番を つけて ならべる ことも できます。このように,表音文字は とても 便利なので,いまでは 世界の ほぼ すべての 言語が 表音文字 だけで 書かれています表音文字は 機械化 しやすいのも すぐれている ところです。現代社会では 機械との 相性が たいへん 重要で,機械で あつかいにくい 文字を つかっている 社会は 不便な ことが おおく,いろいろな 競争でも 不利に なります。実際,日本語が 漢字を つかっている せいで,日本は はかりしれない 不利益を こうむっています。たとえば,漢字と ふりがなを 処理 しなければ ならない 日本の コンピューター システムには 余計な コストが かかっています。

つづりかた

ことばの 音声を 書く ためには,あらかじめ 音声と 文字の 対応が きまっていないと いけません。音声の 種類は 文字の 種類よりも おおいので,ひとつの 音声を ひとつの 文字に 対応 させる ことは できません。どう やって 文字を やりくり するかが 問題に なります。

基本的には,ひとつの 音声を ひとつ 以上の 文字(つづり)で あらわす しくみに なっています。たとえば,英語の s は〈サ〉などの 子音,h は〈ハ〉などの 子音ですが,sh は その どちらでも ない〈シャ〉などの 子音を あらわします。ooo の 音声が 2回 つづいているとは かぎりません。ある 文字が 別の 文字の 発音を かえる ことも あります。英語の fin, pin, winfine, pine, wine に なると i の 発音が かわります。

また,この 対応が 規則的で ない ことも あります。たとえば,英語の good, fool, bloodoo の 読みかたが すべて ちがいます。反対に,to, too, two は すべて おなじ 発音です。このため,丸暗記 しなければ ならない 単語が あります。

さらに ややこしいのは,この ルールが 言語ごとに ちがう ことです。そのため,言語が ちがうと おなじ つづりの 読みかたが ちがう ことも あります。たとえば,Charles は イギリス人なら〈チャールズ〉,フランス人なら〈シャルル〉です。take は 英語なら〈テイク〉,日本語なら〈タケ〉です。ja は 英語なら〈ジャ〉,ドイツ語なら〈ヤ〉,スペイン語なら〈ハ〉です。chi は 英語なら〈チ〉,フランス語なら〈シ〉,ドイツ語なら〈ヒ〉,イタリア語なら〈キ〉です。

外国人は ローマ字を 読めない

このように,表音文字は 発音記号の ような ものでは ありません。しかも 読みかたが 言語に よって ちがいます。発音記号の 読みかたは 世界共通で,おなじ 記号は 常に おなじ 発音です。しかし,表音文字は そういう ふうに 読む ことが できない だけで なく,しらない 言語だったら 読みかた そのものが わかりません。

ある 言語の つづりを 正しい 発音で 読めるのは その 言語を しっている 人 だけです。たとえば,英単語を 正しい 発音で 読めるのは 英語を しっている 人 だけです。それと おなじで,ローマ字を 正しい 発音で 読めるのは 日本語を しっている 人 だけです。ほとんどの 外国人は 日本語を しらないので,ローマ字を 読む ことが できません。ローマ字の つづりかたには 方式が いくつか ありますが,日本語を しらない 外国人は どの 方式の ローマ字も 正しい 発音では 読めません。

外国人に 日本語の 発音を しめす 書きかたが ローマ字だと おもっている 人は おおいのですが,それは よく ある おもいちがいです。ふつうは 外国人が ローマ字を みても 読めません。国際的な 場では 日本人の 名前を ローマ字表記に します。世界共通の 文字で ある ラテン文字で 書けば,世界に 通用 するからです。けれども,その 名前を 外国人が 正しい 発音で 読んで くれる わけでは ありません。

書体

活字体

印刷 されている ラテン文字の 書体を 活字体と よびます。これには,「セリフ」と よばれる ヒゲかざりを もつ「セリフ書体」と,それを もたない「サンセリフ書体」が あります「サン」は フランス語で「~のない」という 意味です。


活字体(セリフ書体)


活字体(サンセリフ書体)

ブロック体

ローマ字を 手書き する ときは ブロック体で 書きます一般に,あらたまった 文書は 手書きが よく,特に 目上の 人への 手紙などは 手書きでないと 失礼だという かんがえが あります。これは 外国でも おなじ ようです。けれども,それは 形式の 話です。敬意を あらわす ときは 形式に たよりすぎない ほうが いいでしょう。大切なのは 敬意 そのもので あって,敬意を あらわす 形式では ありません。ですから,ワープロで 書いたら 失礼に なるという ような ことは ありません。。ブロック体は 活字体と にていますが,小文字の a, g などは すこし 形が ちがいますから,気を つけて ください。

昔は ブロック体を「マヌスクリプト(manuscript)体」とか「マヌ体」と よんでいました。「マヌスクリプト」とは「手書き」の 意味です。印刷 する 活字体,手書き する「マヌスクリプト体」,という 関係です。


ブロック体(マヌスクリプト体)

ときどき,字体の こまかい ところを 気に しすぎる 保護者が いるのですが,実際には どう 書いても かまわないので,そんなに 気に する 必要は ありません。テストの ときは 教師や 教科書の 書きかたに あわせておけば いいでしょう。よく 問題に されるのは 大文字の I(アイ)で,上下の みじかい 横線を 書くか 書かないかで さわぐ 人も いる ようです。字体の こまかい ところは,漢字の トメ・ハネ みたいな もので,はっきり いえば どうでも いい こと ですたしかに,大文字の I(アイ)に みじかい 横線が あると 小文字の l(エル)と 区別 しやすくて 便利 です。しかし,単語や 文章を 書く 場合なら,みじかい 横線が なくても 問題が おこる ことは まず ありません。実際,大文字の I(アイ)と 小文字の l(エル)が おなじ 形を している フォントも あり,それが 世界で うけいれられています。ただし,数学や 物理で つかう 1文字 だけの 記号を 書く 場合は 例外です。このときは,大文字の I(アイ)に かぎらず,大文字と 小文字が おなじ 形を している 文字なども,はっきり 区別 できる ように 書かないと いけません。


下の テキスト ボックスに ラテン文字で 何か 書きこんでみて ください。ブロック体風の 書体で 表示 します。

筆記体

筆記体は つづけて 書ける 形を しているので,すばやく 書けます。ただし,書く 人の くせが でやすく,読みにくい 欠点が あり,あまり このまれません。漢字と かな文字の「つづけ字」が 敬遠 されるのと おなじです。手書きの 文字で 情報を つたえる ときに もっとも 大切な ことは 読みやすさ です。書きやすさと うつくしさは あとまわしに します。この 理由から,他人に 読んで もらう 文章は 筆記体で 書かないのが 基本です最近は 外国人でも 筆記体を つかう ことは すくなく なっています。昔は はやく 書きたい ときに 筆記体を つかったのですが,いまは 機械を つかえば はやく 書けるからです。また,昔は ペンで 文字を 書いていた ことも 筆記体が つかわれた 理由だと いわれています。ペン先を 紙から できるだけ はなさない ほうが インクが よく でて 書きやすいからです。いまは ペンを つかう ことも ありませんから,この 意味でも 筆記体を つかう 理由が なく なっています。


筆記体

自分用の メモや 友人あての 手紙などで あれば,書きやすさを 優先 して,筆記体で 書いても かまいません。反対に,本人確認の 署名などで わざと 筆跡の くせを だしたい 場合は,筆記体で 書く ように しても いいでしょう外国で 署名を する ときは 漢字や かな文字で 書く 手も あります。まね されにくいからです。


下の テキスト ボックスに ラテン文字で 何か 書きこんでみて ください。筆記体風の 書体で 表示 します。

装飾的な 書体

うつくしさや おもしろさが もとめられる 場合も あります。グリーティング カードや 広告などの 文字が そうです。これらには 装飾的な 書体を つかう ことが あります。


装飾的な 書体


下の テキスト ボックスに ラテン文字で 何か 書きこんでみて ください。装飾的な 書体で 表示 します。

書体の 比較

下に 活字体,ブロック体(マヌスクリプト体),筆記体の 比較表を しめします。


ローマ字の字体表
(新しいローマ字 学習指導の研究)

ローマン体と イタリック体

ふつうの ラテン文字は 垂直に たった 形を しています。これを ローマン体(または 立体)と いいます。これとは ちがって,すこし 右に かたむいた 形を した 字体も あります。これは イタリック体(または 斜体)と いいます。

Rômazi Aiueo(ローマン体)
Rômazi Aiueo(イタリック体)

ローマ字文は ローマン体で 書きますが,外国語の 語句を ふくむ ときは,そこ だけ イタリック体で 書く ことが あります。そう やって 外国語の 部分を みわけやすく します。

Neko wa Supeingo de gato desu.
(猫は スペイン語で gato です。)

書きかた

書く 方向

漢字かな交じり文は 縦にも 横にも 書けますが,ローマ字文は 横にしか 書けませんから,かならず 横書きです。左から 右に すすんでいく 左横書きに します。行は 上から 下へ,ページは 左から 右へ すすみます。したがって,本は 左とじに なります。

書く 順番(書き順,筆順)

ラテン文字の ブロック体に きまった 書き順は ありません。書きやすい ように 書いて ください。インターネットで 公開 されている 初級英語の 教材には すぐれた ものが たくさん ありますから,それらを お手本に すると いいでしょう。

この サイトにも「ラテン文字の 書き順」が あります。書き順を アニメーションで 表示 します。お手本の ひとつに して ください。


見本

書く 練習

ラテン文字が はじめての 人や 書きなれていない 人は 英語用の 罫線つきノートを つかって 練習 すると いいでしょう。罫線ページ(PDFファイル)を 提供 していますので,印刷 して おつかい くださいPDFファイルの 表示と 印刷には Adobe Acrobat Readerを インストール する 必要が あります。ブラウザーに その 機能が くみこまれている ことも あります。


罫線ページの 見本

文字を 書く 練習では つぎの 点を 目標に すると いいでしょう。

  1. ブロック体を おぼえて 形を まちがえない ように 書く。
  2. 文字の おおきさや 間隔に 気を つけて 単語を 書く。
  3. 罫線を 1本 だけに して 書く。
  4. 筆記体も 書いてみる。

すばやく 書くとか うつくしく 書くとか,そういう ことは かんがえなくて かまいません。なお,文字を 丁寧に 書くのは よい 心がけですが,文字に 人柄が あらわれる などの オカルトじみた かんがえは しりぞけて ください日常の 生活で 文字を すばやく 書かなければ ならない ことは まず ないでしょう。丁寧に 書くのも あくまで こころがけで あって 義務では ありません。また,文字の うつくしさに 基準は ありません。毛筆の 文字が もっとも うつくしい などと 書道家が いばっている ことも よく ありますが,これは 説得力 ゼロの 精神論です。いわゆる「筆跡診断」は ニセ科学です。

こどもに 文字の 練習を させる とき,たかすぎる 目標を さだめると こどもに 劣等感を うえつけて しまうかも しれません。他人が まちがいなく 読める 文字が 書ける ように なったら,それで 十分です。左ききの 人は お手本の とおりに 書くのが むつかしいかも しれません。文字を 書くという 身体運動 そのものが あまり 得意で ない 人も います。教師や 保護者は この 点も 心に とめておいて ください。

長音符号つき文字

ローマ字で つかう 特殊な 文字

長音(のばす 音)を あらわす ときは しるしが ついた 文字を つかいます。この サイトでは,この しるしを「長音符号」,この しるしが ついた 文字を「長音符号つき文字」と よんでいます。

Â, Î, Û, Ê, Ô, â, î, û, ê, ô

入力の しかた

パソコンなどの 機械で「長音符号つき文字」を 入力 する やりかたは「長音符号つき文字」で 説明 しています。

この サイトは 長音符号つき文字が 入力 しやすい「メモ帳」(テキスト エディター)を 公開 しています。ご自由に おつかい ください。ただし,スマートフォンでは うごきません。

代用表記

長音符号つき文字は あつかいにくいので,これを つかわないで ローマ字を 書く やりかたも あります。たとえば,「太郎」「優子」は Tarô, Yûko ですが,長音符号つき文字が つかえない ときは,Taroo, Yuuko と 書いても かまいません。

この 書きかたは「代用表記」で くわしく 説明 しています。

【読みもの】 切手の 国名

日本が 発行 した 切手には NIPPON と 書いてあります。万国郵便条約で,切手には それを 発行 した 国や 地域の 名前を ラテン文字で しるす きまりに なっているからです。下の 図は ヨーロッパの 切手です。


ヨーロッパの 切手

ただし,言語は きまっていません条約では「ローマ文字で記載された発行郵政庁の属する加盟国又は地域の名称」を 書く ことに なっています。この「ローマ文字で(英: in roman letters)」の 解釈が 国に よって ちがう らしく,ヨーロッパの 国は それぞれの 言語で,日本も 日本語で 書いていますが,中国や 韓国は 英語で 書いています。。英語で 書く ルールに なっていない 理由は,万国郵便条約が できた 当時は 世界で もっとも つよい 言語が 英語では なかったからです。そのころは フランス語が もっとも つよい 言語でした国際郵便の あて先で「日本」が JAPON と 書いてあるのを みた ことが ある 人も いるでしょう。あて先は フランス語で 書いても いい ことに なっているからです。

「日本」の 読みかたを〈ニッポン〉に きめたのは 昔の 郵政省です。NIHON は 外国人に 正しい 発音で 読まれにくい つづりなので NIPPON に きまったと いわれています切手に〈ニッポン〉と 書かれる ように なったのを しって,絶対に〈ニホン〉だと いいはって おおさわぎ する 人も いました。そのためか わかりませんが,いまは「日本」が〈ニッポン〉か〈ニホン〉かを きっちり きめない ことに きまっています。これでは 外国人が こまるのですが,自分の 感情を すっきり させる ことしか かんがえていない 人に とって,そんな ことは どうでも いいのでしょう。